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基礎控除申告書の書き方(令和8年分)収入の見積り方

令和8年分(2026年)の様式で解説 最終更新:2026年10月6日

結論:基礎控除申告書の「収入金額」欄には、今年1月から12月までに受け取る給与の見込みの総額(賞与を含む税込み)を書き、そこから給与所得控除を引いた合計所得金額の見積額で基礎控除の額を選びます(令和8年分は見積額489万円以下なら104万円、2,500万円を超えると適用なし)。勤務先で年末調整を受ける人が基礎控除を受けるために出す用紙で、給与の収入金額が2,000万円を超える人は年末調整が行われず、確定申告をすることになります。

年末調整の時期に会社から配られる紙のうち、いちばん手が止まるのが「基礎控除申告書」です。金額を書く欄があるのに、書くべき金額がどこにも載っていないからです。この記事では、令和8年分の様式に沿って、収入金額の見積り方から基礎控除の区分の選び方までを順に説明します。

この申告書は何のためにあるか

正式な名前は「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」(国税庁の様式番号 A2-4)です。名前のとおり1枚に4つの申告書が入っています。以前から基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・所得金額調整控除申告書は1枚でしたが、令和7年分から特定親族特別控除申告書も加わって4つになりました。

この紙の役割は、「あなたの今年の合計所得金額の見積額」を勤務先に伝えることです。基礎控除の額はこの見積額だけで決まります。配偶者控除・配偶者特別控除の額はこの見積額(区分Ⅰ)と配偶者の所得(区分Ⅱ)の組み合わせで、特定親族特別控除の額はその親族の所得で決まります。提出しないと、これらの控除は年末調整では受けられません。提出期限はその年最後に給与の支払を受ける日の前日までです(様式裏面「各申告書の記載に当たってのご注意」1)。

年末調整ではもう1枚、「給与所得者の保険料控除申告書」(A2-3)も出します。生命保険料・地震保険料・自分で払った社会保険料・iDeCo はそちらに書きます——書き方は保険料控除申告書の書き方(令和8年分)で解説しています。

もう1枚、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(A2-1)も同じ時期に配られますが、こちらは翌年分——令和9年分です。書き方は扶養控除等申告書の書き方(令和9年分)で解説しています。

なお、合計所得金額の見積額が2,500万円を超える方は基礎控除の適用がありません。また、年末調整の対象となる給与の収入金額が2,000万円を超える方は、そもそも年末調整が行われず、確定申告をすることになります。

年収・賞与・家族構成を入れると、この申告書に書く収入金額・給与所得の金額・合計所得金額の見積額・判定・区分Ⅰ・基礎控除の額をそのまま写せる形で表示します:年末調整 還付金シミュレーター(無料・登録不要・データはブラウザ内で処理)

「収入金額」はどこを見て書くか

(1)「給与所得」の「収入金額」欄に書くのは、今年1月から12月までに受け取る給与の見込みの総額です。賞与を含み、社会保険料や所得税を引く前の税込みの金額で合計します。国税庁の記載例も「直近の源泉徴収票や給与支払明細書を参考にして見積もった」額を書くとしています。

去年の源泉徴収票の「支払金額」をそのまま写す欄ではありません。去年の額はあくまで今年を見積もるための材料で、昇給した方、賞与が変わった方、年の途中で入社した方はその分を足し引きします。2か所以上から給与を受けている場合は合計額です。

見積りなので、実際の金額と多少ずれても差し支えありません。12月の給与が確定した時点で勤務先が確定した給与額で年末調整をしますし、それでも合わなければ確定申告で精算できます。1円単位で合っていることより、控除の区分の境目をまたいでいないかのほうが、控除額への影響は大きくなります。基礎控除の額が変わるのは合計所得489万円・655万円・2,350万円・2,400万円・2,450万円・2,500万円で、区分Ⅰが変わるのは900万円・950万円・1,000万円です。

給与明細1枚から毎月の天引き額と年間の見込みを確かめたい方は給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算が使えます。年間の給与収入を入れると年末調整 還付金シミュレーターが申告書用の所得金額まで出します。

「所得金額」の出し方

(1)の右側の「所得金額」には、収入金額から給与所得控除を引いた額を書きます。令和8年分は給与所得控除の最低保障額が74万円です(令和7年分は65万円)。様式の裏面に【参考】給与所得金額の計算方法という表があり、そのとおりに計算します。収入74万999円以下は所得0円、74万1,000円以上219万999円以下は「収入金額−74万円」、219万1,000円以上220万円未満は表の固定値(145万1,000円・145万3,000円・145万6,000円)、220万円以上は下の計算例2のような算式です。

所得金額調整控除の適用がある方は、それを差し引いたあとの金額を書きます(様式の注記)。給与収入が850万円を超え、23歳未満の扶養親族や特別障害者がいる方が対象で、控除額は(給与収入−850万円)×10%(収入は1,000万円が上限なので最大15万円)です。国税庁の記載例も、給与収入8,970,000円に対して所得金額を7,020,000円ではなく6,973,000円(47,000円を引いた額)としています。特定支出控除(通勤費・研修費などが給与所得控除額の2分の1を超える場合の控除)の適用を受ける方も、同じくその額を差し引いてから書きます(様式の注記)。下の年末調整ツールは特定支出控除に対応していないので、表示される所得金額はその控除前です。適用を受ける方はご自分で差し引いてください。

(2)「給与所得以外の所得の合計額」には、副業の事業所得・不動産所得、公的年金等の雑所得などがあればその合計を書きます。(1)と(2)を足したものが「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」です。下の年末調整ツールの「詳細入力」にも「給与以外の所得」の欄があり、入れると(2)と合計所得金額の見積額、基礎控除の区分に反映します。

この計算をひとつずつ手でやる必要はありません。年末調整 還付金シミュレーターに給与収入を入れると、給与所得の金額と合計所得金額の見積額を、所得金額調整控除を差し引いた形で表示します。

基礎控除の区分はどれか

合計所得金額の見積額が出たら、「控除額の計算」の「判定」欄の該当する行にチェックを付け、その行の額を「基礎控除の額」欄に書きます。令和8年分の表は次のとおりです。

判定(合計所得金額の見積額)区分Ⅰ基礎控除の額
489万円以下A104万円
489万円超 655万円以下A67万円
655万円超 900万円以下A62万円
900万円超 950万円以下B62万円
950万円超 1,000万円以下C62万円
1,000万円超 2,350万円以下—62万円
2,350万円超 2,400万円以下—48万円
2,400万円超 2,450万円以下—32万円
2,450万円超 2,500万円以下—16万円

基礎控除は誰でも同じ額ではありません。令和8年分は104万円・67万円・62万円・48万円・32万円・16万円の6段階で、合計所得金額で変わります。2,500万円を超える行は表になく、基礎控除は適用されません。

「区分Ⅰ」のA〜Cは、配偶者控除等申告書で使う記号です。合計所得金額の見積額が900万円以下ならA、900万円超950万円以下ならB、950万円超1,000万円以下ならC。1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除そのものが受けられないため、記載は不要です(様式裏面 1−2。表でもこの範囲には斜線が引かれています)。配偶者控除等申告書を書かない方も、区分Ⅰ欄は空欄でかまいません。

欄ごとの記入例と見落としやすい点は、Tekiba の有料記事(note・980円)にまとめています。

自分の合計所得金額の見積額がどの行に当たるか、区分Ⅰがどれになるかは年末調整 還付金シミュレーターの結果欄「申告書に書く数字」に出ます。控除額が還付にいくら効くかも同時に確認できます。

配偶者欄・特定親族欄の判定

配偶者控除等申告書を書けるのは、本人の合計所得金額の見積額が1,000万円以下で、かつ配偶者の合計所得金額の見積額が133万円以下(給与所得だけなら給与収入207万円以下)のときです(様式裏面 2−1)。配偶者の欄も同じ要領で、収入金額から給与所得控除を引いて所得金額を出します。パート収入だけなら令和8年分は、給与収入74万999円以下が所得0円、74万1,000円以上219万999円以下が「収入−74万円」です。区分Ⅱは①62万円以下かつ70歳以上、②62万円以下かつ70歳未満、③62万円超95万円以下、④95万円超133万円以下の4つで、これと区分Ⅰ(A〜C)を組み合わせて控除額が決まります。

特定親族特別控除申告書に書くのは、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者と、青色事業専従者・白色事業専従者を除く)で、合計所得金額の見積額が62万円超123万円以下(給与所得だけなら給与収入136万円超197万円以下)の方です。控除額は所得に応じて63万円から3万円までの9段階になります。所得が62万円以下の場合はこの欄ではなく、特定扶養親族として扶養控除等申告書に書きます(控除63万円)。

配偶者やお子さんの収入がどこまでなら世帯の手取りが増えるかは年収の壁 世帯手取りシミュレーターで計算できます。壁の一覧と仕組みは2026年の年収の壁一覧と「働き損」の正体で説明しています。

間違えて出したらどうなるか

書くのは見積額です。年末調整は12月の給与が確定してから行われるので、見積りと実際がずれていた場合も、勤務先は確定した金額をもとに年末調整をします。

控除の書類を出し忘れた、金額を間違えたと後から気づいた場合、勤務先がその年分の源泉徴収票を作成・交付する日までなら年末調整をやり直してもらえます(国税庁 タックスアンサー No.2671、国税庁「令和8年年末調整Q&A」問12)。給与の源泉徴収票の交付期限は翌年1月31日なので(所得税法226条1項)、実際にはそこが目安です。まず勤務先の担当部署に相談してください。

それ以降に気づいた場合は、自分で確定申告をして精算します。納めすぎていた分の還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間できます(タックスアンサー No.2030)。

控除を多く取りすぎていた場合(扶養親族の人数が実際より多かったなど)は、扱いが違います。国税庁 タックスアンサー No.2671 は、徴収不足額があるときの年末調整のやり直しは、その異動があった年の翌年1月末日以降であっても行う必要があるとしています。気づいたら、まず勤務先に申し出てください。自分で確定申告をして納める方法もあります。

出し直す前に、控除を入れたときの年調年税額がいくらになるかを確かめておくと話が早くなります:年末調整 還付金シミュレーター。還付の仕組みは年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組みで解説しています。

12月から源泉徴収税額表が変わるわけではない

「12月から税額表が変わって毎月の手取りが増える」という説明を見かけることがありますが、令和8年12月に支払われる給与も、これまでと同じ令和8年分の源泉徴収税額表で源泉徴収されます(12月の給与明細そのものは、年末調整の還付・追徴が反映されるぶん変わります)。国税庁のQ&Aは「令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じません」としたうえで、基礎控除の引上げと給与所得控除の最低保障額の引上げは12月に行う年末調整の際に1年分の税額を計算し直し、改正前の税額表で源泉徴収した額との差を精算する、と説明しています(国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」Q1−1)。

改正後の源泉徴収税額表が使われるのは令和9年1月1日以後に支払うべき給与からです(同 Q4−1)。つまり令和8年は、毎月の源泉徴収は改正前の税額表のまま進み、引き上げられた控除の効果は12月の年末調整でまとめて精算される形になります。そのぶん今年の年末調整では還付が例年より大きくなることがありますが、金額は収入・控除・源泉徴収の状況で変わりますので、ご自分の条件で確かめてください。

今年の還付・追徴の見込み額は年末調整 還付金シミュレーターで計算できます(源泉徴収税額は月額表から自動で推定できます)。

よくある質問

基礎控除申告書の「収入金額」は、去年の源泉徴収票の金額でいいですか?

去年の金額をそのまま書く欄ではありません。書くのは今年1年間に受け取る給与の見込みの総額(賞与を含む税込み)です。国税庁の記載例も「直近の源泉徴収票や給与支払明細書を参考にして見積もった」額を書くとしています。去年の源泉徴収票の「支払金額」は、今年を見積もるための材料です。昇給した方、賞与が変わった方、年の途中で入社した方はその分を足し引きしてください。2か所以上から給与を受けている場合は合計額です。見積りなので実際の金額と多少ずれても差し支えありません。12月の給与が確定した時点で勤務先が確定した給与額で年末調整をしますし、それでも合わなければ確定申告で精算できます。

基礎控除の額は誰でも同じですか?

同じではありません。令和8年分の基礎控除は、合計所得金額の見積額に応じて104万円・67万円・62万円・48万円・32万円・16万円の6段階に分かれています。合計所得金額が489万円以下なら104万円、489万円超655万円以下なら67万円、655万円超2,350万円以下なら62万円で、そこから2,350万円超2,400万円以下が48万円、2,400万円超2,450万円以下が32万円、2,450万円超2,500万円以下が16万円と下がり、2,500万円を超えると適用されません。様式の「控除額の計算」の表で該当する行にチェックを付け、その行の額を「基礎控除の額」欄に書きます。

「区分Ⅰ」の欄が空欄でも大丈夫ですか?

配偶者控除・配偶者特別控除を受けない方は、区分Ⅰ欄の記載は必要ありません(様式裏面 1−2)。区分ⅠのA〜Cは、配偶者控除等申告書で控除額を求めるときに使う記号だからです。合計所得金額の見積額が900万円以下ならA、900万円超950万円以下ならB、950万円超1,000万円以下ならCで、1,000万円を超えると配偶者控除・配偶者特別控除そのものが受けられないため、こちらも記載は不要です(様式の表でもこの範囲には斜線が引かれています)。配偶者控除等申告書を書く方は、この記号と配偶者側の区分Ⅱを組み合わせて控除額を求めます。

根拠資料

この記事は一般的な説明で、個別の判断は税理士または所轄の税務署へご相談ください。関連ツール:年末調整 還付金シミュレーター/給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算/年収の壁 世帯手取りシミュレーター/住民税 計算ツール。関連記事:年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組み/2026年の年収の壁一覧と「働き損」の正体/給与の手取りの計算方法。

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