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転職した年の年末調整:前職の源泉徴収票がいるとき・ないとき

令和8年分(2026年) 最終更新:2026年10月6日

結論:転職した年に今の会社で年末調整を受けるには前職の源泉徴収票が要り、出せないと今の会社では年末調整ができず、翌年に自分で確定申告をして精算します。対象は同じ年のうちに前の会社から給与を受けた人で、合わせられるのは前の会社に扶養控除等申告書を出していた(甲欄の)給与です。令和8年分の計算例(前職 月30万円×6か月、今の会社 月32万円×6か月、扶養なし・賞与なし)では、前職分を合わせた年末調整で31,880円が戻ります。

年の途中で会社を移った年は、今の会社から「前の会社の源泉徴収票を出してください」と言われます。この記事では、なぜ前職の源泉徴収票が要るのか、出さないとどうなるのか、どの前職の給与を合わせられるのかを、国税庁の説明と令和8年分の計算例で確認します。

前職の源泉徴収票の数字と、今の会社の給与明細を合計した数字(今の会社の分だけ・年末調整前)を入れると、合わせた年末調整の還付・追徴の目安を計算できます → 年末調整 還付金シミュレーター(「前職の源泉徴収票」の欄)

前職の給与も合わせて年末調整する

国税庁 No.2674「中途就職者の年末調整」は、年の途中で就職した人の年末調整について、就職前にその年中にほかの会社から給与を受けたかどうかを確認し、その給与の金額や、その給与から徴収された所得税や社会保険料の額を「給与所得の源泉徴収票」などで確認して、合わせて行うとしています。

前職の源泉徴収票が無いと、年末調整できない

No.2674 は「この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、その人が確定申告により所得税及び復興特別所得税の精算を行うことになります」と書いています。会社は、年の途中で退職した人にも退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付することになっている(所得税法226条1項)ので、届いていなければ前の会社に請求してください。年末調整に間に合わなかった場合は、翌年に確定申告で精算します。

合わせられるのは「甲欄」の前職の給与

所得税基本通達190-2(3)は、ほかの会社の給与を通算する場合、その会社が支払った甲欄の給与(扶養控除等申告書を出していた給与)を通算するとしています。かっこ書きで、その会社がその年の1月1日以後に申告書を受け取るまでに支払った乙欄・丙欄の給与も含めるとしているので、途中から申告書を出した会社の給与は、源泉徴収票の支払金額をそのまま合わせます。反対に、甲欄から乙欄に切り替わった後の給与は合わせません(源泉徴収票は期間ごとに分かれます)。

前職の働き方今の会社の年末調整
前の会社に扶養控除等申告書を出していた(ふつうの正社員・パートなど。途中から出した場合を含む)前職の源泉徴収票を出せば合わせられる(申告書を出す前の乙欄・丙欄の給与も含む)
最後まで扶養控除等申告書を出していなかった(掛け持ちの2か所目など、乙欄だけ)合わせられない。確定申告で精算

掛け持ちをしていた場合の確定申告は、給与が2か所ある人の確定申告で説明しています。

計算例(令和8年分)

源泉徴収税額は令和8年分の月額表(甲欄)の額で、扶養なし・賞与なしの場合です。年末調整 還付金シミュレーターの「前職の源泉徴収票」の欄に入れると同じ結果になります。

例A:前職6か月+今の会社6か月

前職は月30万円×6か月(社会保険料 月4.5万円、源泉徴収 月6,320円)、今の会社は月32万円×6か月(社会保険料 月4.8万円、源泉徴収 月6,960円)。

項目金額
給与収入(1,800,000+1,920,000)3,720,000円
給与所得(3,720,000×80%−440,000)2,536,000円
社会保険料控除(270,000+288,000)−558,000円
基礎控除(按分しない)−1,040,000円
課税給与所得金額938,000円
年調年税額47,800円
源泉徴収税額(37,920+41,760)79,680円
還付される金額31,880円

例B:前職3か月、無職の期間のあと今の会社3か月

前職は月20万円×3か月(社会保険料 月3万円、源泉徴収 月3,270円)、今の会社は月25万円×3か月(社会保険料 月3.75万円、源泉徴収 月4,770円)。給与は合わせて135万円、給与所得は61万円で、基礎控除104万円を引くと所得税は0円です。

無職の期間があった年は1年分の所得が少なくなるので、月々に源泉徴収された額の合計が1年分の税額を上回り、年末調整や確定申告で戻ることが多くなります。

気をつけること

よくある質問

転職した年は前職の源泉徴収票を今の会社に出す必要がありますか?

今の会社で年末調整を受けるなら必要です。年の途中で就職した人の年末調整は、その年に前の会社から受けた給与の金額と、徴収された所得税・社会保険料を前職の源泉徴収票などで確認して合わせて行います。確認できないときは年末調整を行うことができず、確定申告で精算します(国税庁No.2674)。

前職の源泉徴収票が無いとどうなりますか?

今の会社では年末調整ができず、翌年に自分で確定申告をして、前職と今の会社の給与を合わせて精算します。前職の会社には源泉徴収票の交付を求めてください。

掛け持ちで働いていた前職の給与も合わせられますか?

合わせられるのは、前の会社に扶養控除等申告書を出していた(甲欄で源泉徴収されていた)給与です(所得税基本通達190-2(3))。同じ会社で申告書を出す前に乙欄・丙欄で受けた給与も含めます。最後まで扶養控除等申告書を出さずに乙欄だけで源泉徴収されていた給与は年末調整に含められず、確定申告で精算します。

前職の「支払金額」「社会保険料等の金額」「源泉徴収税額」と、今の会社の給与明細から集計した給与・社会保険料・源泉徴収税額(今の会社の分だけ・年末調整前)を入れると、合わせた年末調整の目安が出ます → 年末調整 還付金シミュレーター

根拠資料

関連:年末調整の還付金はいくら戻る?/退職した年の年末調整と住民税/源泉徴収票の見方/確定申告の還付金はいつ振り込まれる?/給与2か所の確定申告 要否と還付額(掛け持ちの2か所目が乙欄だけだったとき)

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