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源泉徴収票の見方:手取りと還付を逆算する(令和8年分)

令和8年分(2026年)の様式で解説 最終更新:2026年10月6日

結論:源泉徴収票から1年分の手取りを出すには「支払金額 − 社会保険料等の金額 − 源泉徴収税額」を計算し、給与収入500万円・賞与なし・独身の例なら 5,000,000 − 723,144 − 91,600 = 4,185,256円です(住民税は票に載らないので別に引きます)。この引き算がそのまま当てはまるのは、勤務先で年末調整を受けていて、社会保険料等の金額が全額給与から天引きされている人です(自分で払って申告した国民年金保険料やiDeCoの掛金などがあれば、その分を除いてから引きます)。

源泉徴収票の上段に並ぶ4つの数字は、左から順に引き算でつながっています。①支払金額から給与所得控除を引くと②給与所得控除後の金額、そこから③所得控除の額の合計額を引くと課税される所得、それに税率をかけて控除額を引き、復興特別所得税を足したものが④源泉徴収税額です。手取りはこの票には書かれていません。手取りを出すには、①から社会保険料等の金額と④を引きます(ただし社会保険料等の金額に自分で払って申告した分が入っている場合は、その分を除いてから引きます)。さらに住民税はこの票にはまったく載らないので、その分は別に考える必要があります。この記事では、令和8年分(2026年)の様式で欄を1つずつ読み、給与収入500万円の例で手取りを逆算し、年末調整の還付が正しかったかを検算するところまでをやります。

票の数字を入れて手取りや年税額を確かめるには給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算、還付額の検算には年末調整 還付金シミュレーターが使えます(無料・登録不要・データはブラウザ内で処理)。

まず、4つの数字のつながり

源泉徴収票の上段には、金額の欄が左から「支払金額」「給与所得控除後の金額(調整控除後)」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」の順に並んでいます。この4つは独立した数字ではなく、左から右へ引き算でつながった1本の計算です。

  1. 支払金額 − 給与所得控除 = 給与所得控除後の金額。給与所得控除は支払金額だけで決まる、自動的な概算経費です。
  2. 給与所得控除後の金額 − 所得控除の額の合計額 = 課税される所得金額(1,000円未満切捨て)。所得控除には社会保険料控除・生命保険料控除・扶養控除・基礎控除などが入ります。
  3. 課税される所得金額 × 税率 − 控除額 = 算出所得税額。税率は5%から45%までの7段階です(国税庁 No.2260)。
  4. 算出所得税額 − 住宅借入金等特別控除の額 = 年調所得税額。住宅ローン控除は所得控除ではなく、税額から直接引く控除(税額控除)なので、ここで引きます。2年目以降で年末調整で控除を受けた人は、票の「住宅借入金等特別控除の額」欄にその額が出ています。この控除がない人は、算出所得税額がそのまま年調所得税額です。
  5. 年調所得税額 × 102.1% = 源泉徴収税額(100円未満切捨て)。令和8年分の復興特別所得税は基準所得税額の2.1%なので102.1%をかけます。令和9年1月1日以後に生ずる所得については、復興特別所得税の税率が1.1%に下がり、別に防衛特別所得税(1%相当)が源泉徴収されます。ただし国税庁は、改正前(復興特別所得税2.1%)と改正後(防衛特別所得税1%+復興特別所得税1.1%)とで合計税率(2.1%)に変更はなく、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じないとしています。年調年税額も「年調所得税額に102.1%を乗じた金額(100円未満切捨て)」のままで、令和8年分と令和9年分で求め方は変わりません(国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」Q1・Q8)。変わるのは内訳の呼び名で、かける率ではありません。

ただし、この4つが全部埋まっているのは「年末調整をした人」の票だけです。令和8年分の記載要領は、②給与所得控除後の金額・③所得控除の額の合計額を「年末調整をした受給者のみ」記載する欄としています。年の途中で退職してそのまま年末調整を受けていない人や、給与収入が2,000万円を超えて年末調整の対象外になった人の票は、②と③が空欄で、④には「その年に源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額」が入ります。空欄は記入漏れではなく、そういう仕様です。

例:給与収入500万円・賞与なし・独身・東京都・40歳未満

この記事では最後までこの1人で通します。数字は年末調整 還付金シミュレーターの画面の値そのままで、令和8年分(2026年)の制度によります。生命保険料控除などはなく、所得控除は社会保険料控除と基礎控除だけという前提です。

票の欄金額出どころ
① 支払金額5,000,000円その年に支払の確定した給与等の総額
 (給与所得控除)− 1,440,000円500万円 × 20% + 44万円(No.1410)
② 給与所得控除後の金額3,560,000円① − 給与所得控除
③ 所得控除の額の合計額− 1,763,144円社会保険料控除 723,144円 + 基礎控除 1,040,000円
 課税される所得金額1,796,000円② − ③(1,000円未満切捨て)
 算出所得税額89,800円1,796,000円 × 5%
④ 源泉徴収税額91,600円89,800円 × 102.1%(100円未満切捨て)
⑤ 社会保険料等の金額723,144円給与から引かれた健保・厚年・雇用保険の合計

基礎控除が1,040,000円なのは令和8年分の額です。令和8年分は、合計所得金額489万円以下の方の基礎控除が104万円、給与所得控除の最低保障額が74万円になっています。令和7年分以前の票と見比べるときは、この額が違うことを頭に入れてください。控除額が変わっているだけで、票の読み方そのものは同じです。

欄ごとの読み方

ここからは令和8年分の「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(国税庁)の記載要領に沿って、よく質問になる欄を順に見ていきます。欄の名前は令和8年分の様式のものです。

支払金額——「年収」と呼ばれるのはここ

その年に支払の確定した給与等の総額です。基本給・残業代・各種手当・賞与を合わせた、税金や社会保険料を引く前の金額で、世間で「年収」と言われるのはたいていこの欄を指します。

給与所得控除後の金額(調整控除後)

支払金額から給与所得控除を引いた金額です。給与所得控除は、給与をもらう人の必要経費にあたるものを収入額だけで自動的に決める仕組みで、令和8年分は次の表になります(国税庁 No.1410、令和8年4月1日現在法令等)。

給与等の収入金額給与所得控除額
2,200,000円まで740,000円
2,200,001円 〜 3,600,000円収入金額 × 30% + 80,000円
3,600,001円 〜 6,600,000円収入金額 × 20% + 440,000円
6,600,001円 〜 8,500,000円収入金額 × 10% + 1,100,000円
8,500,001円 以上1,950,000円(上限)

この表は速算のための式で、票の金額と1円単位で合わないことがあります。No.1410 は、給与等の収入金額が660万円未満の場合には所得税法別表第五(年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表)によって給与所得の金額を求めるとしていて、この表は収入金額を4,000円ごとの階級に区切った表です。たとえば収入金額2,195,000円の給与所得は1,453,000円で、上の式で引いた1,455,000円とは2,000円違います。記載要領も、⑤の金額は「令和8年分年末調整のしかた」の給与所得控除後の給与等の金額の表によって求めると定めています。票の金額をそのまま使うのがいちばん正確で、上の式は「だいたいこのくらい」を確かめるためのものと考えてください(給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算と年末調整 還付金シミュレーターは別表第五の階級で計算しています)。

欄名に「(調整控除後)」と付いているのは、所得金額調整控除がある場合にその額を差し引いた後の金額を書く、という意味です。所得金額調整控除は、給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族がいる場合などに適用されます。該当する人は、この欄の金額が「支払金額 − 給与所得控除」より小さくなります。差額は別の欄(所得金額調整控除額)に出ています。

所得控除の額の合計額

給与所得控除後の金額から引いた所得控除の合計です。記載要領は、ここに入るものを次のように列挙しています——社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、および基礎控除の額の合計額。

この欄は合計額しか出ていないので、内訳は同じ票の別の欄を見ます。令和8年分の様式には「基礎控除の額」と「特定親族特別控除の額」の欄があり、それぞれ年末調整のときに出した「給与所得者の基礎控除申告書」「給与所得者の特定親族特別控除申告書」から転記されます。基礎控除の適用がない場合は「0」と書かれます。

内訳を足し合わせても合計に届かないときは、社会保険料控除(次の欄)と扶養控除を数え忘れていることが多いです。扶養控除には専用の金額欄がなく、「控除対象扶養親族の数」という人数の欄しかありません。一般の控除対象扶養親族は1人38万円、特定扶養親族は63万円、老人扶養親族は48万円(同居老親等は58万円)で計算します。16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象ではないので、人数欄に出ていても控除額には入りません。

源泉徴収税額

その年の所得税として最終的に納めた額です。ここが年末調整をした人と、していない人とで意味が変わります。

金額の意味も、所得控除を引いた後にさらに税額控除(住宅借入金等特別控除)を引いた結果です。住宅ローン控除を年末調整で受けた人の票は、③所得控除の額の合計額と④源泉徴収税額だけを見て電卓を叩いても合いません。「住宅借入金等特別控除の額」の欄を先に引いてから102.1%をかけてください。

この違いがあるので、「毎月の給与明細の所得税を12か月分足したのに、票の源泉徴収税額と合わない」のは、年末調整をした人ではむしろ正常です。差額が還付または追徴として12月(または1月)の給与で精算されています。なお、未払の給与があって源泉徴収していない税額があるときは、この欄にも内書きが入ります。

社会保険料等の金額

給与から天引きした健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・雇用保険料と、保険料控除申告書で申告した社会保険料、そして小規模企業共済等掛金の合計です。

記載要領は、小規模企業共済等掛金の額は内書きするとしています。iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や企業型年金の加入者掛金も、この「小規模企業共済等掛金」に含まれます。つまり給与天引きでiDeCoを払っている人は、その額がこの欄の金額の中に入っていて、上に小さく内書きされています。手取りを逆算するときにここを二重に引くと合わなくなるので、内書きの数字は「合計のうちいくらが掛金か」の再掲だと覚えてください。

(源泉・特別)控除対象配偶者、控除対象扶養親族の数

配偶者や扶養親族の人数と、区分(老人・特定など)が入ります。金額の欄ではないので、ここを見ただけでは控除額は分かりません。配偶者については、配偶者控除・配偶者特別控除の額が別の欄に出ます。

令和8年分では、19〜22歳で合計所得金額が62万円超123万円以下の親族について特定親族特別控除が適用され、その額が専用の欄に入ります。合計所得金額が62万円以下または123万円を超える場合は、この控除の適用はありません(62万円以下なら扶養控除の対象です)。

摘要

他の欄に収まらない事情が文章で書かれる欄で、票を読むときにいちばん情報量が多い場所です。主なものは次のとおりです。

手取りを逆算する

手取りは票に書かれていないので、自分で引き算します。1年分の手取り(税・社会保険料を引いた後)は、支払金額から社会保険料等の金額と源泉徴収税額を引いた額です。

計算金額
支払金額5,000,000円
− 社会保険料等の金額− 723,144円
− 源泉徴収税額− 91,600円
その年に受け取った額4,185,256円
− 住民税(票には載らない・別途)− 243,000円
住民税も引いた後3,942,256円

この引き算が成り立つのは、社会保険料等の金額が全額 給与から天引きされている場合です。上で書いたとおり、この欄には保険料控除申告書で申告した社会保険料(自分で払った国民年金・国民健康保険など)と小規模企業共済等掛金(自分で払って申告したiDeCoを含む)も入ります。これらは給与から引かれていないので、逆算で引くと手取りを実際より少なく見積もることになります。自分で払った分があるなら、その額——掛金は内書きの数字——を除いてから引いてください。給与天引きの分は手取りから出ていっているので、除きません。

ほかにも注意点が2つあります。1つは非課税の通勤手当で、支払金額に入っていないので、実際に口座に振り込まれた合計はこの金額より通勤手当のぶん多くなります。もう1つは住民税で、下で説明するとおり票の数字とは年がずれています。上の表の243,000円は「この年の所得に対して翌年度に課される住民税」なので、その年の給与から実際に引かれていた住民税(1〜5月分は前々年、6〜12月分は前年の所得に対するもの)とは別物です。同じ給与が続いている人なら近い金額になりますが、転職・昇給・休職があった年は大きく違います。

月単位の手取りや、票の数字を入れた年税額の確認は給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算で。引かれるものの内訳と仕組みは給与の手取りの計算方法と、引かれるものの内訳で解説しています。

年末調整の還付が正しかったかを検算する

やり方はこうです。票の支払金額と社会保険料等の金額、それに適用した控除を入れて年税額を出し、票の源泉徴収税額と一致するかを見ます。一致すれば、年末調整の計算は合っています。

上の例なら、年末調整 還付金シミュレーターに給与収入5,000,000円・独身・東京都・40歳未満を入れると、年調年税額 91,600円——票の源泉徴収税額と一致します。ついでに、年末調整前に引かれていた額の推定は146,640円(月々12,220円×12か月)、その差の55,040円が12月の給与で戻るという見当も付きます。

一致しない場合、まず疑うのは入力した前提のほうです。票は勤務先が実際の数字で作っているので、ツールの概算と合わないときは、たいてい次の3つのどれかが原因です。

ずれる典型その1:年の途中の入社と前職分

前職分を含めて年末調整をしている場合、支払金額には前の勤務先の給与も入っています。一方、社会保険料等の金額にも前職で引かれた社会保険料が含まれます。ここまでは票の中で整合しているのですが、ツールの社会保険料の概算は「年収を12で割った月給が1年続いた」前提なので、給与額が途中で変わった人では実際と離れます。この場合は票の社会保険料等の金額をそのまま入力してください。概算ではなく実額で計算されます。

前職の数字は摘要欄に書かれているので、突き合わせるならそこを見ます。逆に、前職の源泉徴収票を出さなかった場合は、今の勤務先では年末調整そのものが行われません。国税庁は、ほかの会社などに扶養控除等(異動)申告書を提出して支払を受けた給与がある人についてはそれらの給与を含めて年末調整を行う必要があり、前職の源泉徴収票などで「この確認ができないときには、年末調整を行うことはできず、その人が確定申告により……精算を行うことになります」としています(No.2674)。ですからこの場合の票は②給与所得控除後の金額と③所得控除の額の合計額が空欄で、④源泉徴収税額は毎月引かれた概算のままです。自分で確定申告をして精算してください。

ずれる典型その2:賞与の源泉徴収は「率」で決まる

賞与から引かれる所得税は、毎月の給与とは別の仕組みです。前月の給与(社会保険料等を差し引いた後)と扶養親族等の数から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で率を決め、賞与から社会保険料等を引いた額にその率をかけます。率は0%・2.042%・4.084%・6.126%……と段階的に上がる刻みなので、賞与の比率が高い人ほど、年末調整前の徴収額が年税額から離れがちです。

上の例は賞与なしで計算しましたが、同じ年収500万円でも賞与100万円(年2回)が含まれる形にすると、社会保険料の概算は745,856円、年調年税額は90,500円と変わります。年収が同じでも、賞与があるかどうかで社会保険料も税額も動きます。票と突き合わせるときは、賞与の有無と回数を合わせてください。

ずれる典型その3:給与天引きのiDeCo

iDeCoの掛金は、給与天引きで払っている場合も、自分で払って年末調整で申告した場合も、票の社会保険料等の金額に含まれています(掛金の額は内書きで再掲)。ですから検算するときは、票の社会保険料等の金額をそのまま入力し、掛金の額も入力したうえで、「この掛金の払い方」を選びます。年末調整 還付金シミュレーターは、票に含まれている払い方(「自分で払い、年末調整で申告した」「給与から天引きされている」)を選ぶと掛金の分を社会保険料から差し引いてから計算するので、二重には控除されません。掛金を入力しないと、次に書く源泉徴収税額の推定のほうがずれます。

払い方を選ぶ必要があるのは、給与天引きの掛金は毎月の源泉徴収の段階ですでに控除されているからです。そのため「iDeCoのおかげで年末調整で戻った額」は、掛金の額に税率をかけた金額より小さくなります。毎月の手取りが増えているぶん、年末にまとめて戻る額が減る、という関係です。まだ年末調整に出していない掛金は票の金額に入っていないので、そのときは3つ目の払い方を選びます。

還付が起きる理由、多く戻る人・追徴になる人の整理は年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組みにまとめています。

確定申告に使う欄

医療費控除やふるさと納税(確定申告の場合)で申告書を書くとき、源泉徴収票から転記するのは支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額・社会保険料等の金額と、扶養親族などの欄です。確定申告書への源泉徴収票の添付は不要ですが、記載内容が必要になるので手元に置いて書きます。

そもそも確定申告が必要かどうかは、国税庁 No.1900 が条件を挙げています。給与をもらっている人で該当しやすいのは次の3つです。

この20万円は「申告しなくてよい特例から外れるかどうか」の線で、外れたからといって納税額が出るとは限りません。所得控除を引いた結果として税額が出ない場合もあります。また住民税にはこの20万円の特例がないので、所得税の確定申告をしない場合でも、市区町村への住民税の申告が必要になることがあります。

年末調整では扱えず確定申告が要るもの(医療費控除・寄附金控除・住宅ローン控除の1年目など)は年末調整でできないもの一覧と確定申告の準備(令和8年分)にまとめています。

住民税は源泉徴収票に載らない

源泉徴収票は所得税の票です。住民税の金額はどこにも書かれていません。毎月の給与から住民税が引かれていても、票には出てきません。

理由は、住民税が所得税と1年ずれて課されるからです。住民税はある年の1月〜12月の所得をもとに市区町村が計算し、その翌年の6月から翌々年5月までの給与から毎月引かれます(特別徴収)。ですから、源泉徴収票に書かれた年の所得に対応する住民税は、票に書かれた年の翌年6月から引かれ始めます。金額は、勤務先から配られる「給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税額の決定通知書」で分かります。

上の例では、令和8年分(2026年)の所得に対する住民税は令和9年度分で年額243,000円、給与天引きなら2027年6月が20,800円、7月から翌年5月までが20,200円ずつという概算になります。所得税と住民税では基礎控除の額も違い(所得税104万円に対し住民税43万円)、住民税には所得割のほかに均等割と森林環境税が定額で加わります。

翌年度の住民税の概算は住民税 計算ツールで出せます。仕組みと計算の順序は住民税の計算方法と、いつからいくら引かれるかで解説しています。

よくある質問

源泉徴収票はいつ、誰がくれますか?

勤務先(給与の支払者)が交付します。国税庁は、すべての受給者に対し、その年の翌年の1月31日まで(年の中途で退職した方の場合は、退職の日以後1か月以内)に交付しなければなりませんとしています(国税庁 No.7411、所得税法225条・226条)。ですから1月の給与明細と一緒に配られるのが普通で、12月中に配る会社もあります。あらかじめ受給者の承諾を得るなど一定の要件を満たせば、書面に代えて電磁的方法(PDFのダウンロードなど)で提供することもできますが、この場合でも受給者から請求があるときは書面で交付しなければなりません。なお、令和9年1月1日以降は、市区町村に給与支払報告書を提出すれば税務署に源泉徴収票を提出したものとみなされる特例が始まりますが、これは勤務先から税務署への提出の話で、受給者への交付義務はこれまでどおりです。

なくしました。再発行できますか?

勤務先に再発行を頼んでください。源泉徴収票の再発行に法律上の回数制限はなく、依頼すれば作成してもらえます。すでに退職した会社に対しても同じで、交付義務は在職中かどうかで変わりません。ここで気をつけたいのは、税務署の「源泉徴収票不交付の届出書」は、紛失した票の再発行には使えないことです。この届出書には「既に交付された源泉徴収票の再発行については、この手続の対象外です」と明記されていて、そもそも交付されない場合——頼んでも出してもらえない、勤務先と連絡が取れないといった場合——のための手続きです。紛失したときはまず勤務先へ、頼んでも交付されないときは税務署へ、と使い分けてください。なお、確定申告書に源泉徴収票を添付する必要はなくなっていますが、記載内容は申告書を作るのに必要なので、手元に無いなら再発行を頼むことになります。

「年収」とは、どの欄のことですか?

文脈によって指すものが違うので、何のための年収かを確かめてから欄を選んでください。いちばん多いのは支払金額で、ローンの審査や保育料の書類などで「年収」と言われたらまずこれです。一方、税法上の「合計所得金額」は給与所得控除後の金額のほうで、扶養の判定や配偶者控除の判定はこちらで行います(給与以外の所得があればそれも足します)。さらに健康保険の被扶養者の「年間収入」には非課税の通勤手当も含まれるので、支払金額とも一致しません。同じ「年収」という言葉でも、税の話・社会保険の話・金融機関の話で中身が違います。

根拠資料

年の途中で転職した人が前職の源泉徴収票を今の会社に出す理由と、出さなかったときの確定申告は転職した年の年末調整:前職の源泉徴収票がいるとき・ないときで説明しています。

この記事は一般的な説明で、個別の判断は税理士または所轄の税務署・お住まいの市区町村へご相談ください。記事中の金額は令和8年分(2026年)の制度による概算で、実際の金額は勤務先が発行する源泉徴収票と市区町村の決定通知書で確定します。関連ツール:給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算/年末調整 還付金シミュレーター/住民税 計算ツール。関連記事:年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組み/年末調整でできないもの一覧と確定申告の準備(令和8年分)/給与の手取りの計算方法と、引かれるものの内訳/住民税の計算方法と、いつからいくら引かれるか。

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