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給与の手取りの計算方法と、引かれるものの内訳

令和8年(2026年)の料率で解説 最終更新:2026年9月7日

求人票の「月給30万円」と、実際に振り込まれる金額は同じではありません。振込額は額面の75〜85%程度になるのが普通です。この記事では、額面から何がどれだけ引かれて手取りになるのかを、令和8年の料率で順番に説明します。

手取りの式

手取り=総支給額−健康保険料−介護保険料(40〜64歳)−厚生年金保険料−雇用保険料−所得税−住民税。総支給額は基本給に残業代や各種手当、通勤手当を足したものです。引かれるものは大きく「社会保険料」と「税金」の2つに分かれ、社会保険料が先に計算され、それを引いた残りに対して所得税がかかります。

社会保険料は「標準報酬月額」で決まる

健康保険料と厚生年金保険料は、毎月の給与そのものではなく「標準報酬月額」という区切りのよい金額に料率を掛けて計算します。標準報酬月額は原則として4〜6月の給与(通勤手当を含む)の平均から決まり、その年の9月から翌年8月まで使われます。たとえば報酬月額が29万円以上31万円未満なら標準報酬月額は30万円です。健康保険は5万8,000円から139万円までの50等級、厚生年金は8万8,000円から65万円までの32等級に区切られています。

料率は労使折半で、本人が負担するのは半分です。令和8年度の主な料率は次のとおりです。

項目料率(労使合計)本人負担備考
健康保険(協会けんぽ)9.21〜10.55%+0.23%半分都道府県ごとに異なる。0.23%は子ども・子育て支援金率(令和8年4月分〜)
介護保険1.62%半分40〜64歳のみ
厚生年金18.3%9.15%全国一律。70歳以上は対象外
雇用保険1.35%0.5%一般の事業。標準報酬ではなく給与総額に掛ける

東京都の場合、健康保険料率は9.85%に支援金率0.23%を加えた10.08%です。標準報酬月額30万円なら、健康保険料は30万円×10.08%÷2=1万5,120円、厚生年金は30万円×9.15%=2万7,450円になります。端数は50銭以下切り捨て、50銭超切り上げです。

所得税は「社会保険料を引いた後」の金額で決まる

毎月の給与から引かれる所得税(源泉所得税)は、総支給額から非課税の通勤手当と社会保険料を引いた金額と、扶養親族等の数を「源泉徴収税額表」に当てはめて決まります。扶養親族等の数は、年初に会社へ出す「扶養控除等申告書」に書いた配偶者や子どもの人数で、多いほど税額は小さくなります。この表を出していない勤務先(副業先など)では乙欄という高い税率が適用されます。

ここで引かれる所得税はあくまで仮の額で、年末調整で生命保険料控除などを反映した正しい年税額と精算されます。

住民税は「前年の所得」で決まる

住民税は前年1〜12月の所得をもとに計算され、翌年6月から翌々年5月まで12回に分けて給与から引かれます。そのため新卒1年目の6月までは住民税が引かれず、2年目の6月から引かれ始めて手取りが減ったように感じます。税率は所得割10%に均等割(年5,000円前後)と森林環境税1,000円を加えたものです。転職や退職の直後は、前年の所得に基づく住民税だけが残ることに注意が必要です。

計算例:月給30万円・東京都・35歳・扶養なし

項目金額
総支給額300,000円
健康保険料(10.08%÷2)−15,120円
介護保険料(40歳未満のため対象外)0円
厚生年金保険料(9.15%)−27,450円
雇用保険料(0.5%)−1,500円
社会保険料 合計−44,070円
所得税(課税対象255,930円・扶養0人)−6,340円
手取り(住民税を除く)249,590円

ここから住民税(前年も同じ給与なら月1万5,000円程度)が引かれると、振込額はおよそ23万5,000円です。額面の78%程度になります。

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手取りを左右するポイント

4〜6月に残業が多いと標準報酬月額が上がり、9月以降の社会保険料が1年間高くなります。逆にこの時期の残業を抑えると保険料は下がりますが、将来の厚生年金の受給額も標準報酬に連動して減ります。通勤手当は所得税では非課税(電車・バスは月15万円まで)ですが、社会保険料の計算には含まれます。賞与にも同じ料率で社会保険料がかかり、所得税は前月の給与に応じた率で引かれます。

まとめ