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年末調整の還付金はいくら戻る?仕組みと計算手順

令和8年分(2026年)の改正ルール対応 最終更新:2026年9月7日

12月の給与明細を見ると、所得税がマイナスになっていたり、いつもより手取りが多かったりすることがあります。これが年末調整の還付です。この記事では、なぜお金が戻るのか、いくら戻るのかをどう見積もるのか、令和8年分のルールで説明します。

還付が起きる理由

会社は毎月の給与から所得税を「仮の額」で天引きしています。これが源泉徴収です。毎月の税額は、その月の給与と扶養親族の数だけで機械的に決まり、生命保険料控除や地震保険料控除、iDeCoの掛金、配偶者特別控除などは反映されていません。年末になって1年分の給与が確定したところで、これらの控除をすべて入れて正しい年税額を計算し、天引き済みの合計と比べます。天引きが多ければ差額が戻り(還付)、少なければ追加で引かれます(追徴)。

毎月の税額表は「その月の給与が12か月続く」前提で作られており、控除が最小限しか入っていないため、たいていの人は天引きのほうが多くなります。だから年末調整では還付になる人が多数派です。

還付が多くなる人、追徴になる人

還付が大きくなりやすいのは、次のような人です。生命保険・介護医療保険・個人年金保険に加入している。地震保険に入っている。iDeCoや小規模企業共済に掛金を払っている。配偶者の収入が少なく配偶者控除・配偶者特別控除の対象になる。年の途中で扶養親族が増えた。住宅ローン控除の2年目以降(初年度は確定申告)。年の途中で入社し、それ以前は収入がなかった。月によって残業代の変動が大きく、多い月に高い税額を引かれていた。

逆に追徴になりやすいのは、年の途中で扶養親族が減った(子どもの就職、配偶者の収入増)、賞与が前月給与に比べて極端に大きく賞与の税率が低めに判定されていた、扶養控除等申告書に書いた人数が実際より多かった、といったケースです。

令和8年分で変わったこと

令和7年度の税制改正で、年末調整の計算に使う控除額が大きく変わりました。基礎控除は一律48万円から、合計所得金額に応じて95万円・88万円・68万円・63万円・58万円の段階制になりました(令和7・8年分の特例。令和9年分以降は132万円以下が95万円、それ以外は58万円)。給与所得控除の最低額は55万円から65万円へ。扶養親族や配偶者控除の対象となる所得要件は48万円以下から58万円以下(給与収入で123万円以下)へ引き上げられました。

さらに、19歳から22歳までの親族で所得が58万円を超え123万円以下(給与収入123万円超188万円以下)の場合に、特定親族特別控除(最高63万円)が新設されました。大学生の子どもがアルバイトで年収150万円程度稼いでいても、親の側で控除が受けられます。これらは毎月の源泉徴収税額表には一部しか織り込まれていないため、令和8年分は例年より還付が多くなる人が増える見込みです。

計算の手順

  1. 給与所得控除後の金額を出す。年間の給与総額(賞与含む、非課税通勤手当は除く)から給与所得控除を引きます。年収450万円なら給与所得控除は134万円で、給与所得は316万円です。
  2. 所得控除を合計する。社会保険料控除(給与から引かれた健康保険・厚生年金・雇用保険の全額)、小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)、生命保険料控除(最高12万円)、地震保険料控除(最高5万円)、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、障害者控除、寡婦・ひとり親控除、勤労学生控除、基礎控除。
  3. 課税給与所得金額を出す。給与所得から所得控除の合計を引き、1,000円未満を切り捨てます。
  4. 算出所得税額を出す。課税所得195万円以下は5%、330万円以下は10%−97,500円、695万円以下は20%−427,500円、900万円以下は23%−636,000円、1,800万円以下は33%−1,536,000円。
  5. 年調年税額を出す。住宅ローン控除があれば引き、残りに102.1%(復興特別所得税)を掛けて100円未満を切り捨てます。
  6. 過不足を出す。年調年税額と1年間の天引き合計を比べ、天引きが多ければその差が還付されます。

計算例

年収450万円、社会保険料67万円、配偶者の所得40万円(パート年収105万円)、大学生の子ども1人(アルバイト所得70万円)、生命保険料(新制度)年8万円、天引き済みの所得税12万円の場合。給与所得316万円から、社会保険料67万円、生命保険料控除4万円、配偶者控除38万円、特定親族特別控除63万円、基礎控除88万円を引くと課税所得は56万円。算出税額は2万8,000円、年調年税額は2万8,500円。天引き12万円との差、約9万1,500円が還付されます。

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還付はいつ、どうやって受け取る?

多くの会社では12月または1月の給与に上乗せして支給されます。給与明細の「年末調整還付」「所得税還付」などの項目、または所得税がマイナス表記になっていれば、それが還付額です。追徴の場合も同じタイミングで給与から差し引かれます。会社から受け取る「給与所得の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」欄には、還付・追徴を反映した後の正しい年税額が記載されます。

年末調整で処理できないもの

医療費控除、寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例を使わない場合)、住宅ローン控除の初年度、雑損控除は年末調整では扱えず、翌年に確定申告をすると還付されます。また、給与収入が2,000万円を超える人、副業などで2か所以上から給与を受けている人(主たる勤務先以外の分)は年末調整の対象外です。

まとめ