年末調整 還付金シミュレーター
年収・家族構成・保険料から、年末調整で戻る金額(または追加で引かれる金額)を計算します。源泉徴収税額は月額表から自動で推定できるので、給与明細を1枚見れば入力できます。生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除・特定親族特別控除に対応しています。入力内容はブラウザの中だけで処理され、送信されません。
このツールの特徴。国税庁「年末調整のしかた」と令和8年分の源泉徴収税額表(月額表 甲欄)にもとづいて年調年税額と還付・追徴額を計算し、還付に効いている控除を「その控除を外して計算し直した差額」で表示します。
対応していないこと。給与収入2,000万円超の方・乙欄・丙欄の方・年の中途で退職した方は原則として年末調整の対象外です(12月の給与を受けたあとの退職など例外は下の「対象にならない方」に書いています)。医療費控除と住宅ローン控除の初年度には対応していません。年の途中で転職した方は、前職の源泉徴収票の数字を入れると合わせて計算します(前職が乙欄の場合を除く)。
さらに詳しく(note)
- 令和8年分 年末調整の書類、欄ごとの書き方と損をしないチェック(note・有料・980円):3枚の申告書の欄ごとの記入例
- 令和8年分 年末調整:出す書類と期限、会社ごとの違い(note・有料・980円):何を・いつまでに・誰に出すか、前職・途中入社・2か所給与・扶養の変更
- 年末調整で「戻る人」と「追加で引かれる人」の違い——今年(令和8年分)は例年より戻る人が多い理由(note・無料):還付になる人と追加で引かれる人の分かれ目
この結果の根拠と注意点
計算の前提と制度の説明は、次の記事にまとめています。
年末調整でいくら戻ってくる?
下の表の条件なら、申告する控除が何もなくても令和8年分は還付が出ます。表は、賞与なし・社会保険料は年収の15%・扶養親族なし・生命保険料やiDeCoなしという条件で上の入力欄に入れて計算した令和8年分の結果です(源泉徴収税額は月額表からの推定)。
| 年収 | 還付の目安 | 年調年税額 | 源泉徴収税額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約30,200円 | 27,000円 | 57,240円 |
| 500万円 | 約53,400円 | 90,300円 | 143,760円 |
| 700万円 | 約52,400円 | 274,100円 | 326,520円 |
控除が何もなくても戻るのは、11月までの源泉徴収が令和8年度改正前の税額表(基礎控除58万円・給与所得控除の最低保障65万円で作られた表。令和7年度改正までは反映済み)で行われているためで、令和8年度改正で引き上げられた控除の効果は12月の年末調整で初めて反映されます。あくまで目安です。扶養親族・生命保険料控除・住宅ローン控除・自分で払うiDeCoがあれば増え、賞与の割合や年の途中の入退社・扶養の異動があれば変わります(給与から天引きされているiDeCoは、逆に還付が減ることもあります。後述)。また、毎月の給与から所得税が引かれていない方は、戻る税金そのものがありません(月額表の甲欄は社会保険料等控除後の月額105,000円未満が0円なので、この前提ではおおむね年収149万円未満が該当します)。ご自分の金額は上の入力欄で計算してください。
年末調整の還付金はいつ振り込まれる?
年末調整はその年最後に支払う給与について行うことになっていて(所得税法190条)、払いすぎていた税額は、その給与から徴収すべき所得税に充当するか本人に還付します(同191条、国税庁「年末調整のしかた」過不足額の精算)。したがって、通常は12月の給与と一緒に支払われます。給与明細に「年末調整還付」「所得税還付」といった項目があるか、所得税がマイナス表記になっていれば、それが還付額です。
1月の給与になることもあります。過納額が12月の源泉徴収税額に充当しきれない場合、残りは翌年に支払う給与の源泉徴収税額から順次還付されるためです(国税庁「年末調整のしかた」過納額の還付)。追徴も同じで、その年最後の給与で徴収しきれない不足額は翌年の給与から順次徴収されます(所得税法192条)。還付は原則として勤務先から給与と一緒に受け取るもので、確定申告の還付金のように税務署から個人の口座へ直接振り込まれるのは、勤務先が還付できなくなった場合などの例外です。時期は勤務先によって違うので、給与明細か担当部署で確認してください。控除の出し忘れに気づいた場合、勤務先がその年分の源泉徴収票を交付する日までなら年末調整をやり直せます(国税庁「令和8年年末調整Q&A」問12、タックスアンサー No.2671)。給与の源泉徴収票の交付期限は翌年1月31日なので、実際にはそこが目安です(所得税法226条1項)。それ以降は確定申告で還付を受けます。戻る金額そのものは上の入力欄で計算できます。
年末調整で戻る人と、追加で引かれる人の違い
毎月の源泉徴収税額は、社会保険料等控除後の給与と「扶養親族等の数」だけで機械的に決まります。生命保険料控除・地震保険料控除・自分で払うiDeCoの掛金・住宅ローン控除(2年目以降)は入っていないので、これらがある人ほど年末調整で戻ります。年の途中で入社してそれ以前に収入が無かった人、残業の多い月に高い税額を引かれていた人、配偶者控除・配偶者特別控除を扶養控除等申告書に書いていなかった人も戻ります。
反対に追加で引かれやすいのは、年の途中で扶養親族が減ったのに扶養控除等申告書を直していない人、賞与の割合が高く賞与の税率が低めに判定されていた人、申告書に書いた扶養親族等の数が実際より多かった人です。どちらになるかは上の入力欄で確かめられますが、源泉徴収税額の自動推定は「毎月の給与が年間で一定」という前提の概算です。年の途中で入社・退社した方、残業で月々の変動が大きい方、年の途中で扶養が変わった方は、給与明細と賞与明細の「所得税」を合計した実額を源泉徴収税額の欄に入力してください。仕組みは年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組みで詳しく説明しています。
iDeCo・生命保険料・住宅ローン控除は、年末調整でいくら効く?
効き方は年収(=適用される税率)で変わります。下の表は上と同じ前提(令和8年分・賞与なし・社会保険料は年収の15%・扶養親族なし)で、その控除があるときと無いときの年調年税額の差を計算したものです。iDeCoの掛金は社会保険料の15%とは別に払っている前提です(源泉徴収票の「社会保険料等の金額」は掛金を含む額なので、同じ計算を再現するときは社会保険料の欄に15%+掛金を入れ、払い方で「自分で払い、年末調整で申告した」を選んでください)。
| 控除 | 年収500万円 | 年収700万円 |
|---|---|---|
| 生命保険料控除4万円(新制度の一般の保険料を年8万円) | 約2,000円 | 約8,200円 |
| 生命保険料控除12万円(一般・介護医療・個人年金とも上限) | 約6,100円 | 約24,500円 |
| iDeCo・小規模企業共済 年24万円(自分で払って申告) | 約12,200円 | 約42,900円 |
| 住宅ローン控除20万円(2年目以降) | 約90,300円 | 約204,200円 |
結果欄の「還付に効いている控除」にも同じ差額を表示します。控除額に税率をかけた概算ではなく、その控除を外して年調年税額を計算し直した差額なので、外しても年調年税額が変わらない方には0円と表示されます(課税所得が0のまま、または住宅ローン控除で税額が0のままの方)。年収500万円の住宅ローン控除が20万円ぶんまるごと効かないのも同じ理由で、この人の算出所得税額が88,500円しかないためです。引ききれない分は翌年度の住民税から控除されます(上限あり。住民税 計算ツールで計算できます)。また給与から天引きされているiDeCo・企業型DCのマッチング拠出・小規模企業共済は毎月の源泉徴収でもすでに控除されているため、年末調整で戻る額はこの表より小さくなります。この場合だけは結果欄の表示も年調年税額の差そのままではなく、そこから源泉徴収税額の差を引いた「年末調整で戻る金額の増減」です(源泉徴収税額を推定しているときに限ります。マイナスになることもあります)。ご自分の控除での効き方は、上の入力欄に入れると結果欄に出ます。
計算方法
年末調整は、毎月の給与と賞与から概算で引かれていた所得税を、1年間の収入と控除で計算し直して精算する手続きです。本ツールは次の順で計算します。
- 給与所得を求める。給与収入から給与所得控除を引きます。最低保障額は令和7年分が65万円、令和8年分が74万円(本則69万円+令和8・9年分の特例5万円)です。収入660万円未満は「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」の方式(4,000円の階級)で計算します。
- 所得控除を引く。社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)・生命保険料控除(最高12万円)・地震保険料控除(最高5万円)・配偶者(特別)控除・扶養控除・特定親族特別控除・障害者控除・寡婦/ひとり親控除・勤労学生控除・基礎控除を差し引きます。
- 課税給与所得金額(1,000円未満切捨て)に速算表を当てて算出所得税額を出す。
- 住宅借入金等特別控除を引く。税額から直接引く控除です。引ききれない分は翌年度の住民税から控除されます(上限あり)。
- 復興特別所得税を加える。102.1%を掛け、100円未満を切り捨てた額が年調年税額です。
- 源泉徴収税額の合計と比べる。多く引かれていれば還付、少なければ追徴です。
申告書に書く数字(基礎控除申告書)
結果欄の「申告書に書く数字」は、勤務先に出す「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」(国税庁 A2-4)の欄に、そのまま写せる形で表示しています。表示しているのは上の計算で使った値と、様式の「控除額の計算」の表に当てはめた結果だけで、ここで別の計算はしていません。
- (1) 給与所得の「収入金額」——給与収入(賞与を含む年間の支給総額)の見積額です。
- (1) 給与所得の「所得金額」——収入金額から給与所得控除を引いた額です。所得金額調整控除の適用がある場合は、それを差し引いたあとの金額を書きます(様式の注記)。表示している金額は差引き後です。特定支出控除も同じく差し引いてから書きますが、本ツールは特定支出控除に対応していません。適用を受ける方は、表示された金額からご自分で差し引いてください。
- (2) 給与所得以外の所得の合計額——本ツールは給与所得だけを扱うため0円で表示します。他に所得がある方はご自分で足してください。
- 「判定」「区分Ⅰ」「基礎控除の額」——合計所得金額の見積額を様式の表に当てはめた行、その行の記号(A〜C)、基礎控除の額です。令和8年分の基礎控除の額は104万円・67万円・62万円・48万円・32万円・16万円の6段階で、合計所得金額で変わります。合計所得金額が2,500万円を超えると適用されません。
- 「区分Ⅰ」は配偶者控除等申告書で使う記号です。本人の合計所得金額の見積額が900万円以下ならA、900万円超950万円以下ならB、950万円超1,000万円以下ならC、1,000万円を超えると配偶者(特別)控除が受けられないため記載不要です。
書き方は基礎控除申告書の書き方(令和8年分)で説明しています。
社会保険料の概算
社会保険料を0円のままにすると、協会けんぽの料率(健康保険+子ども・子育て支援金率0.23%、介護保険は40〜64歳、厚生年金、雇用保険)で概算します。毎月の給与が年間で一定である前提です。賞与は標準賞与額(1,000円未満切捨て)で計算し、厚生年金は1か月150万円(同じ月に2回以上なら合算)、健康保険・介護保険は年度の累計573万円が上限です。健康保険は75歳から、厚生年金は70歳からかかりません。年4回以上支給される賞与は「賞与」ではなく「報酬」として標準報酬月額に算入します(健康保険法3条5項・6項、厚生年金保険法3条1項3号・4号)。本来は7月1日前の1年間の支給実績で判定しますが、ここでは入力された賞与の回数をそのまま使っています。ただしこの「年4回以上」は、日本年金機構の取扱いでは「同じ性質の賞与」ごとに数えます(給与規程などで性質の違いが明らかな場合。賞与と決算手当を別々に年2回ずつ、など)。上の「賞与の回数」は源泉徴収税額の計算に使うので年間の支給回数をそのまま入れていただくため、性質の異なる賞与を合わせて年4回以上になる方は、社会保険料の概算だけが実際と変わります。その場合は社会保険料を自分で入力してください(算入するかどうかで年税額が数万円変わります)。
源泉徴収票から写すときの注意
「社会保険料等の金額」には小規模企業共済等掛金(iDeCo・企業型DCのマッチング拠出・小規模企業共済)が含まれます。給与から天引きされている分と、保険料控除申告書で申告した分の両方が合計され、掛金の額は同じ欄に内書(うちがき)として再掲されます(国税庁「給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)の記載のしかた」)。票の金額をそのまま社会保険料の欄に入れたうえで掛金も入力すると二重に控除されるため、iDeCoの欄の「この掛金の払い方」で切り替えてください。自分で払っていてまだ年末調整に出していない掛金は、票に含まれていないので「まだ年末調整に出していない」を選びます。
給与から天引きされている掛金は、毎月の源泉徴収でも社会保険料等として控除されています。そのため「給与から天引きされている」を選んだ場合は、源泉徴収税額の推定でも掛金を引いた後の給与で月額表を引きます。自分で払って年末調整で申告した掛金は毎月は引かれていないので、推定には反映しません。
源泉徴収税額の推定
源泉徴収税額を空欄にすると、給与と賞与、社会保険料、扶養親族等の数から推定します。月々の給与は国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」の月額表(甲欄)をそのまま引き、賞与は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で前月の社会保険料等控除後の給与から率を求めて計算します。社会保険料は給与と賞与に金額の比で按分しています(賞与が年4回以上で、社会保険料をこのツールに概算させた場合だけは例外で、賞与から引かれるのは雇用保険料だけとして計算します。標準報酬月額に算入しているためです。社会保険料を自分で入力した場合は内訳が分からないので按分のままになり、同じ条件でも推定額が変わります)。社会保険料等控除後の月額が74万円以上のときも月額表で計算します。月額表はこの範囲を階級ではなく「基準額(74万円・79万円・96万円・171万円・350万円など)の場合の税額に、基準額を超える金額の一定率(20.42〜45.945%)を加えた金額」という形で定めているので、本ツールも基準額ごとの税額と率を持ってそのとおりに計算しています(平成24年3月31日財務省告示第115号別表第一)。
前月に通常の給与がない場合や、賞与が前月の給与の10倍を超える場合は、賞与の算出率の表ではなく月額表で計算します(所得税法186条2項)。賞与を6で割って前月の給与に足し、月額表の税額との差を6倍する方法です。計算期間が6か月を超える賞与は12で割って12倍するので、賞与の回数が年1回のときは計算期間12か月とみなして12分割、2回以上のときは6分割しています。計算期間そのものは入力していただいていません。
令和8年分の税額表は「令和7年分以前の給与等には使用できません」とされているため、令和7年分を選んだときは推定を行いません。給与明細・賞与明細の「所得税」を合計した額を入力してください。なお源泉徴収票の「源泉徴収税額」は年末調整で精算したあとの年税額(=年調年税額)なので、この欄に入れると還付額が0円になります。
還付が多い人・追徴になる人
毎月の源泉徴収税額は、扶養親族等の数だけを反映した概算です。生命保険料控除・地震保険料控除・住宅ローン控除(2年目以降)は年末調整で初めて反映されるため、これらが多い人ほど還付が大きくなります。iDeCo・小規模企業共済の掛金も、自分で払って年末調整で申告する分は同じです。給与から天引きされている掛金は毎月の源泉徴収でも引かれているため、掛金の払い方で還付の出方が変わります(年調年税額は同じですが、毎月引かれた額の合計が変わるので、その差である還付額は増えることも減ることもあります)。逆に、年の途中で扶養親族が減った、賞与の割合が高い、月々の給与が年の後半で上がったといった場合は追徴になることがあります。本ツールは還付につながっている控除と、その控除がなかった場合と比べて還付がいくら増えているかを一覧で表示します。控除額に限界税率をかけた概算ではなく、控除を外して年調年税額を計算し直した差額です。その控除を外しても年調年税額が変わらない場合は0円と表示されます(課税所得が0のままの人、住宅ローン控除で税額が0のままの人)。いま課税所得が0でも、控除を外せば税額が出る人にはその差額が出ます。給与天引きのiDeCo・小規模企業共済だけは、控除を外すと源泉徴収税額のほうも動くので、年調年税額の差から源泉徴収税額の差を差し引いた額を表示します。年末調整で戻るのはその差だけだからです。ほとんどの方は掛金のぶん毎月の源泉徴収も減っているので、年調年税額の下がり方より小さい額になります。課税所得が0で年調年税額が動かず、かつ毎月の源泉徴収だけが減っている方は「還付が約○円少なくなります」と出ます(毎月の手取りが増えているぶん、年末調整で戻る額は減ります)。反対に、掛金で社会保険料等控除後の月額が下がったことで賞与が前月給与の10倍を超え、賞与の源泉徴収が月額表での計算に切り替わる方(所得税法186条2項)は、源泉徴収税額のほうが増えることがあり、その場合は還付も増えます。源泉徴収税額を推定していない場合——ご自分で入力した場合と、推定に対応していない令和7年分——は増減が分からないため差し引かず、一覧の注記でその旨を断っています。
令和7年分と令和8年分の違い
- 給与所得控除の最低保障額が65万円→74万円、基礎控除が最高95万円→最高104万円になりました(令和8年分の基礎控除は合計所得金額に応じて104/67/62万円)。
- 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件が58万円以下→62万円以下(給与収入136万円以下)に、特定親族特別控除の対象も所得62万円超123万円以下になり、一般の生命保険料控除(新制度)は23歳未満の扶養親族がいれば最高6万円になりました。
- この改正は令和8年12月1日施行で、11月までの毎月の源泉徴収は改正前の税額表のままです。差額は12月の年末調整で精算されるため、令和8年分の年末調整は例年より還付が大きくなります。
令和7年分との対照表と、基礎控除の加算のしくみ(本則62万円+租税特別措置法の加算)は年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組みにまとめています。
前提と対応していないこと
給与所得だけがある方の、扶養控除等申告書を提出している(月額表の甲欄で源泉徴収されている)年末調整を対象としています。源泉徴収税額の推定は、毎月の給与が年間で一定であることを前提にした概算です。結果は目安であり、実際の金額は勤務先が発行する源泉徴収票で確定します。個別の相談は税理士または所轄の税務署へお問い合わせください。
年末調整の対象にならない方
次の方は年末調整の対象外です(所得税法190条、国税庁「年末調整のしかた」第1章)。本ツールは入力を止めませんので、結果は参考になりません。
- 給与収入が2,000万円を超える方。確定申告が必要です(計算結果にも注意書きを出します)。
- 扶養控除等申告書を提出していない方(乙欄)、日雇いの方(丙欄)。本ツールは甲欄だけに対応しています。2か所以上から同時に給与を受けていて、他方に申告書を出している場合の従たる給与も同じです。
- 災害減免法により、その年の給与に対する源泉徴収の猶予や還付をすでに受けた方。
- 非居住者、および年の中途で退職した方。ただし、海外支店等への転勤で非居住者になった方、死亡により退職した方、著しい心身の障害のため退職した方(退職後に再就職して給与の支払を受ける見込みのある方を除く)、12月に支給されるべき給与を受けたあとに退職した方、パートタイマーとして働いていて本年中の給与の総額が一定額以下の方(退職後に他から給与の支払を受ける見込みのある方を除く)は年末調整の対象になります(国税庁 タックスアンサー No.2665)。
年末調整では扱えない控除
医療費控除・雑損控除・寄附金控除(ふるさと納税のワンストップ特例を使わない場合)・住宅ローン控除の初年度は、年末調整では適用できず確定申告が必要です。年末調整で受けられる税額控除は住宅借入金等特別控除(2年目以降)だけで、配当控除・外国税額控除なども確定申告になります。
入力にあたっての注意
- 年の途中で転職した方は、前職の源泉徴収票を今の勤務先に出せば、前職分を含めて年末調整されます(国税庁 タックスアンサー No.2674)。前職の源泉徴収票が無いと年末調整はできず、確定申告で精算します。合わせられるのは前の勤務先で扶養控除等申告書を出していた(甲欄の)給与で(所得税法190条1号・所得税基本通達190-2(3))、同じ前の勤務先で、扶養控除等申告書を出す前に乙欄・丙欄で受けた給与も含めます。最後まで乙欄だけだった給与は確定申告で精算します。基礎控除・扶養控除などは働いた月数で按分せず全額です。「前職の源泉徴収票」の欄に入れてください。退職金(退職所得)は年末調整に含めません。
- 所得金額調整控除は「給与850万円超で23歳未満の扶養親族または特別障害者がいる場合」に対応しています。給与と公的年金等の両方がある場合の調整控除(租税特別措置法41条の3の11第2項)も、「公的年金等の収入金額」を入れると計算します。ただしこの控除は年末調整では適用を受けられないので(国税庁 タックスアンサー No.2676 注3)、合計所得金額の見積額にだけ反映し、年調年税額には反映していません。適用を受けるには確定申告が必要です。
- 地震保険料と旧長期損害保険料は、1つの契約についてどちらか一方しか控除を受けられません(国税庁 タックスアンサー No.1145)。本ツールは両方の欄に入れると合算するので、同じ契約を二重に入れないでください。
- 国外に住む親族を扶養控除の対象にするには、30歳以上70歳未満の場合、留学・障害者・年38万円以上の送金のいずれかに当たる必要があります(所得税法2条1項34号の2)。本ツールは人数を入れるだけなので、要件の判定はご自身で行ってください。
- 扶養親族・配偶者に当たるかどうかは、年末調整を行う日の現況で判定します。所得はその年1月1日から12月31日までの見積額、年齢は12月31日現在です(扶養親族などが年の途中で死亡した場合は、その時の現況。本人が年の途中で死亡した・出国して非居住者になった場合は、その時の現況と年齢)。国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」・所得税法190条によります。確定申告では、その年12月31日の現況で判定します(所得税法85条)。
- 社会保険料等控除後の月額が74万円以上の方の源泉徴収税額も、月額表そのもので推定します。月額表はこの範囲を「基準額の場合の税額+基準額を超える金額×一定率」という算式で定めているためです。基準額を超える部分の率は扶養親族等の数にかかわらず同じなので、人数による税額の差は基準額の時点の差(74万円の段では0〜7人の間で1人あたり6,460〜6,480円)のまま広がりません。扶養親族等の数が7人を超える分は、金額にかかわらず1人につき1,610円の控除です(月額表の備考)。なお勤務先が月額表ではなく電子計算機等を使用して源泉徴収税額を計算する方法(電算機計算の特例)を採っている場合は、どちらも適法ですが税額が一致しないことがあります(この範囲では月1万円以上ずれることもあります)。実額は給与明細でご確認ください。
- 防衛特別所得税(所得税額の1%)は、令和9年1月1日以後に支払うべき給与等から源泉徴収されるため、令和8年分には適用されません。同時に復興特別所得税が2.1%から1.1%に下がり合計2.1%は据え置かれるので、令和9年分以降も年調年税額にかける率は変わりません(国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」令和8年5月)。
根拠資料
- 国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」、「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」、「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」
- 国税庁「A2-4 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」(令和8年分の様式 2026bun_06.pdf、令和7年分の様式 2025bun_06.pdf、令和8年分 年末調整のしかたの記載例)——結果欄の「申告書に書く数字」の判定欄・区分Ⅰ・基礎控除の額はこの様式に合わせています。
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」(月額表 甲欄、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表。平成24年3月31日財務省告示第115号別表第一・第三、令和7年4月30日財務省告示第122号改正)
- 国税庁タックスアンサー No.1410(給与所得控除)、No.1191(配偶者控除)、No.1195(配偶者特別控除)、No.1180(扶養控除)、No.1140(生命保険料控除)、No.1145(地震保険料控除)、No.1213(住宅借入金等特別控除)
- 「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」、国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)
- 所得税法 第74条〜第86条(所得控除)、第186条第2項(賞与に対する源泉徴収の特例)、第190条(年末調整)、租税特別措置法 第29条の4(給与所得控除の最低保障額の特例と219万1,000円以上220万円未満の給与所得の金額)、第41条(住宅借入金等特別控除)、復興財源確保法 第28条(復興特別所得税)
- 国税庁「防衛特別所得税及び復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」(令和8年5月。令和9年1月1日以後に支払うべき給与等から適用、合計税率2.1%は据置き)、国税庁 タックスアンサー No.2665(年末調整の対象となる人)
- 所得税法 第191条(過納額の還付)、第192条(不足額の徴収)、第226条第1項(源泉徴収票の交付期限=翌年1月31日)、国税庁 タックスアンサー No.2671(年末調整の後に扶養親族等の人数が異動したとき)、国税庁「令和8年年末調整Q&A」問12(年末調整のやり直し)
年末調整の仕組みは年末調整の還付金はいくら戻る?年収別の早見表と仕組みで解説しています。関連ツール:給与2か所の確定申告 要否と還付額シミュレーター(2か所目の給与がある場合)/満期保険金・解約返戻金の税金シミュレーター(一時所得がある場合)/給与の手取り・源泉所得税・年末調整 計算/住民税 計算ツール(年末調整の結果は翌年度の住民税に反映されます)/ふるさと納税 控除上限額シミュレーター/退職金の手取り計算ツール(退職金は年末調整の対象外で、分離課税です)/年収の壁 世帯手取りシミュレーター(配偶者やお子さんの収入をいくらまで増やせるか)。副業の所得がある方は、年末調整とは別に確定申告が必要になることがあり、副業の確定申告 要否判定+税額シミュレーターで判定できます。医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告が必要です。戻る額は医療費控除 還付金シミュレーターで計算できます。