ふるさと納税 控除上限額シミュレーター
令和8年分の確定申告の期間は2027年2月16日(火)〜3月15日(月)です(所得税法120条。国税庁の令和8年分の案内は公表前)。還付を受けるだけの申告は2027年1月1日から出せます。
2026年(令和8年)の収入と家族構成から、自己負担2,000円で寄附できる上限額の目安を計算します。給与だけでなく副業・年金・株式の所得、住宅ローン控除、医療費控除、iDeCo、生命保険料控除に対応。入力内容はブラウザの中だけで処理され、送信されません。
このツールの特徴。地方税法37条の2・314条の7・附則7条の2と総務省「ふるさと納税のしくみ」にもとづいて、令和8年分の所得税と令和9年度の住民税から控除上限額と実際の自己負担額を計算します。
個人事業主の方。給与収入を「0」にして、事業所得に青色申告特別控除後の所得を、社会保険料に国民健康保険料・国民年金保険料などの年額(本人が払った分)を入れると計算できます。個人事業主として確定申告や住民税の申告をする人は、ワンストップ特例は使えません(寄附は確定申告で申告します)。
対応していないこと。自治体独自の超過課税、退職所得・山林所得・一時所得(返礼品を含む)、土地建物や総合課税の譲渡所得、雑損控除、外国税額控除は含みません(上場株式等の申告分離課税の所得には対応しています)。
この結果の根拠と注意点
計算の前提と制度の説明は、次の記事にまとめています。
計算方法
ふるさと納税は、寄附額のうち2,000円を超える部分が「所得税の寄附金控除」「住民税の基本分」「住民税の特例分」の3つで差し引かれる仕組みです。特例分には「住民税所得割額の20%」という上限があり、これに達する寄附額が控除上限額です。本ツールは次の式で求めています。
| 区分 | 計算式 | 上限 |
|---|---|---|
| 所得税分 | (寄附額−2,000円)×所得税率×1.021 | 総所得金額等の40% |
| 住民税 基本分 | (寄附額−2,000円)×10% | 総所得金額等の30% |
| 住民税 特例分 | (寄附額−2,000円)×(90%−所得税率×1.021) | 住民税所得割額(調整控除後)の20% |
| 控除上限額 | 住民税所得割額×20% ÷(90%−所得税率×1.021)+2,000円 | 総所得金額等の30%まで |
「所得税率」は本人の実際の所得税率ではなく、地方税法の定める判定額から求めた率です(次の段落)。この2つがずれると、確定申告のとき寄附額に応じて自己負担が増えます(ずれの幅と寄附額によっては2,000円のままのこともあります。下の「自己負担が2,000円を超える主なケース」に5つの要因を挙げています)。
特例分の式に使う「所得税率」は、地方税法附則第7条の2により、住民税の課税総所得金額から「人的控除差調整額」と「所得税の基礎控除額−48万円」を引いた金額に対応する率です(5〜45%)。後者は令和7年度の地方税制改正で加わったもので、令和8年度分の個人住民税から適用され、基礎控除の引上げによる所得税と住民税の課税所得のずれを打ち消します。本ツールはこの規定どおりに率を判定し(差し引いた金額が0円未満のときは特例分を90%で計算し(割合表の1行目は「0円以上195万円以下=84.895%」で、ちょうど0円は5%帯に入ります)、上場株式等の分離課税所得だけがある場合は所得税率の15%で計算します)、住民税所得割額は、給与所得控除・公的年金等控除・所得金額調整控除で所得を求め、社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・医療費控除・生命保険料控除(住民税の額)・地震保険料控除・配偶者(特別)控除・扶養控除・特定親族特別控除・障害者控除・寡婦/ひとり親控除・勤労学生控除・基礎控除(43万円)を差し引いて課税総所得金額を出し、10%を掛けて調整控除を引いた額です。上場株式等の申告分離課税分は5%で所得割に加えます。
「この額を寄附したときの自己負担」と「寄附予定額→自己負担」は、上の式を当てはめるだけでなく、寄附の前後で所得税額(住宅ローン控除・復興特別所得税・100円未満切捨てを含む)と住民税額(調整控除→住民税側の住宅ローン控除→寄附金税額控除の順で計算)を実際に計算し、その差額を寄附額から引いて求めています。そのため、上限額の式では見えない「自己負担が2,000円を超えるケース」を確認できます。
ワンストップ特例と確定申告の違い
ワンストップ特例(寄附先が5自治体以内で、確定申告をしない給与所得者など)では、所得税分の控除は行われず、その分が「申告特例控除」として住民税から引かれます。確定申告では所得税分は所得税から、基本分と特例分は住民税から引かれます。控除の合計額はほぼ同じですが、住宅ローン控除で所得税が0円になっている場合や、所得税率と特例分の率がずれている場合には、ワンストップ特例のほうが自己負担が小さくなることがあります。逆に、判定率が33%を超える方(判定額=住民税の課税総所得金額−人的控除差調整額−「所得税の基礎控除額−48万円」が1,800万円を超える方。本人の実際の所得税率とは別物で、特定親族特別控除などがあると1段上に出ます——給与2,170万円・社会保険料50万円・特定親族の所得70万円なら所得税率33%・判定率40%)は、ワンストップ特例だと自己負担が2,000円を超えます。申告特例控除の割合は課税総所得金額900万円超で「56.307分の33.693」に止まる一方、特例分の率は49.16%・44.055%と下がり続けるためです(地方税法附則第7条の2第4項の割合表)。この方々は確定申告のほうが自己負担が小さくなります(なお給与収入が2,000万円を超えると確定申告が必要で、ワンストップ特例は使えません)。医療費控除を受ける、給与以外の所得が20万円を超える、公的年金等の収入が400万円を超えるなどで確定申告をすると、ワンストップ特例の申請は無効になり、確定申告でふるさと納税分も申告し直す必要があります。本ツールは所得税法121条1項(給与所得者)・3項(年金受給者)の確定申告不要制度で判定し、申告が必要な条件のときは注意書きを表示します。
自己負担が2,000円を超える主なケース
- 所得税率と特例分の率がずれている。特例分の率は、住民税の課税総所得金額から「人的控除差調整額」と「所得税の基礎控除額−48万円」を引いた金額で判定します。基礎控除の引上げ分は後者で調整されるため、控除が基礎控除・扶養控除・障害者控除などだけの人はほとんどずれません。ただし判定額(住民税の課税総所得金額から人的控除差調整額と「所得税の基礎控除額−48万円」を引いた額)がちょうど0円になる人はずれます——割合表の1行目が「0円以上195万円以下=5%相当」で、0円は5%帯に入るためです(給与209.6万円・社会保険料31.6万円で所得税率0%・特例分5%、1.5万円の寄附で確定申告の自己負担2,500円)。判定額が0円未満なら特例分は90%(率0%)で、この場合はずれません。ずれるのは、人的控除差調整額が実際の控除額の差と一致しない控除がある場合です。具体的には、特定親族特別控除(所得税63万円・住民税45万円ですが人的控除差は「なし」)、配偶者特別控除(38万円と33万円ですが人的控除差は「なし」)、生命保険料控除(最高12万円と7万円)、地震保険料控除(最高5万円と2万5,000円)で、これらの差の合計だけ判定額が高く出ます。判定額が税率の境目(195万円・330万円・695万円など)をまたぐと、実際の所得税率より1段階高い率で特例分が計算され、寄附額に応じて自己負担が増えます。本ツールは所得税率と特例分の率を並べて表示し、ずれがある場合は「ずれあり」と示します。確定申告ではなくワンストップ特例を使うと、この差は生じません。
- 所得税の税率が33%を超えている(ワンストップ特例のとき)。申告特例控除額は「特例控除額×下表の割合」で計算しますが、この割合の表は判定額(課税総所得金額−人的控除差調整額)900万円超で「56.307分の33.693」が最終行になっており、1,800万円超・4,000万円超も同じ行を使います。一方、特例分の率は900万円超で56.307%、1,800万円超で49.16%、4,000万円超で44.055%と下がり続けます。この非対称のため、所得税率40%・45%の方はワンストップ特例だと控除の合計が「寄附額−2,000円」に届かず、自己負担が2,000円を超えます(制度どおりの結果です)。確定申告なら所得税分が所得税から引かれるため自己負担は小さくなりますが、寄附によって課税所得が税率の段(1,800万円・4,000万円)をまたぐと、控除の一部が1段下の税率でしか戻らず自己負担が増えることがあります(またげば必ず超えるわけではなく、またいだ額がわずかなら2,000円のままです)——控除の一部が1段下の税率でしか戻らないためです(年収2,131万円・社会保険料70万円で上限額742,000円を寄附すると、確定申告でも自己負担は約51,900円)。本ツールは割合表どおりに計算し、該当する場合は注意書きを表示します。
- 住宅ローン控除で所得税が0円になっている。確定申告をすると所得税分の控除が効きませんが、所得税で引ききれなかった住宅ローン控除は住民税から引かれるため、その上限に余裕があれば自己負担はほぼ2,000円のままです(住民税の税額控除は住宅ローン控除→寄附金税額控除の順に引くため、所得割が小さい人は寄附金税額控除のほうが引ききれなくなります)。上限は、平成26年4月〜令和3年12月に入居(消費税8%・10%)した場合と、消費税10%で注文住宅を令和2年10月1日〜令和3年9月30日/分譲・中古・増改築を令和2年12月1日〜令和3年11月30日に契約して令和4年中に入居した場合は「(所得税の課税総所得金額等+所得税の基礎控除額−48万円)×7%・136,500円」、それ以外で令和7年12月までに入居した場合は同じ式の「5%・97,500円」(令和8年度分の住民税から加算が入りました)、令和8年1月以降に入居した場合は加算のない「所得税の課税総所得金額等×5%・97,500円」です。上限まで使い切っている人は、寄附額の「所得税率×1.021」分がそのまま自己負担になります。基礎控除の引上げで所得税の課税所得が下がったぶん、加算のない令和8年以降の入居者はこの上限に達しやすくなっています。ワンストップ特例なら所得税分も住民税から控除されるため、この上乗せは受けません(ただし住宅ローン控除を引いた後の住民税の所得割が寄附金税額控除に足りない場合(残りがゼロのときも、わずかしか残らないときも)は、ワンストップ特例でも寄附金税額控除を引ききれないので自己負担は減りません)。本ツールは所得税と住民税の両方で住宅ローン控除の順序を計算し、自己負担が増える場合に警告を表示します。
- 寄附額が上限を超えている。超えた分は基本分と所得税分しか控除されず、大部分が自己負担になります。収入が見込みより減ったとき(残業減・退職・育休など)も同じことが起こるため、上限ぎりぎりではなく少し余裕を持たせるのが安全です。
- 医療費控除・iDeCo・扶養の追加で課税所得が減った。控除が増えるほど住民税所得割が減り、上限額も下がります。年末に医療費控除やiDeCoの加入を予定している場合は、先に入力して上限額を確認してください。
前提と対応していないこと
2026年(令和8年)1〜12月の所得に対する、令和8年分の所得税と令和9年度の住民税の制度で計算しています。令和8年度税制改正(令和8年12月1日施行)を反映し、所得税の基礎控除は62万円に租税特別措置法の加算額(合計所得489万円以下は42万円、489万円超655万円以下は5万円)を加えた104万円・67万円・62万円、給与所得控除の最低保障額は74万円(本則69万円+令和8・9年分の特例5万円)、扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は62万円以下(給与収入136万円以下)としています。個人住民税は令和9年度分から同じ改正が適用されますが、住民税の基礎控除43万円と調整控除の人的控除差(基礎控除分5万円)に改正はありません。そのうえで、ふるさと納税の特例控除率の判定額と、住民税側の住宅ローン控除の限度額(令和7年12月以前の入居)には「所得税の基礎控除額−48万円」の調整が入ります(令和8年度分の個人住民税から適用)。住民税の均等割・森林環境税は年5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)、非課税限度額は1級地(35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の数)+10万円、同一生計配偶者または扶養親族がいる場合は所得割32万円・均等割21万円を加算。夫婦のみでも所得割112万円・均等割101万円)、所得割の税率は10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%、政令指定都市は2%+8%)として計算しており、自治体独自の超過課税は含みません。非課税限度額をわずかに超える所得のときは、所得割の調整措置(地方税法附則3条の3)も反映します。この調整措置が働く範囲では、寄附をしても住民税が減らず自己負担が寄附額のほぼ全額になることがあり、その場合は注意書きを表示します。退職所得・山林所得・土地建物の譲渡所得・総合課税の譲渡所得・一時所得・純損失や雑損失の繰越控除・総合課税を選択した配当(配当控除)・雑損控除・セルフメディケーション税制・寄附金控除と住宅ローン控除以外の税額控除(外国税額控除など)には対応していません。ふるさと納税以外の寄附金(認定NPO法人・公益社団法人・政党・共同募金会などへの寄附)との合算には対応していません——所得税の寄附金控除の上限(総所得金額等の40%)と住民税の基本分の上限(同30%)は、ふるさと納税以外の寄附金と共通の枠なので、両方ある方は枠が足りなくなることがあります。寄附先はすべて「ふるさと納税の対象として総務大臣の指定を受けた都道府県・市区町村」である前提です——指定を受けていない自治体への寄附は特例分(住民税所得割額の2割まで)の対象外で、基本分と所得税分しか控除されません(地方税法第37条の2第2項)。また返礼品は一時所得にあたり、他の一時所得と合算して、収入を得るために支出した金額を差し引き、年50万円の特別控除を引いた残りの2分の1が総所得金額に加わります(所得税法第34条、国税庁 No.1490)。本ツールは計算に含めていません。寄附額は年間の合計を入力する前提で、同じ自治体に複数回寄附しても「5団体以内」の数え方では1団体ですが、ワンストップ特例の申請書は寄附のたびに提出が必要です。年末に申し込んでも、入金・決済が翌年になればその年の寄附として扱われます(受領証明書の日付で確認してください)。雑所得の赤字は給与所得などと損益通算できないため、公的年金等の雑所得と相殺しても残る赤字は0円として扱います。事業所得・不動産所得の赤字は簡易的に他の所得と通算します(土地等の取得に係る借入金の利子など、通算できない部分には対応していません)。金額の入力欄は「5,000,000」「500万5000」「1億2000万」のような表記を読み取りますが、対応していない表記は0円として扱います。所得金額調整控除は「給与850万円超で23歳未満の扶養親族または特別障害者がいる場合」と「給与と年金の両方がある場合」に対応しています。社会保険料を0円のままにした場合は、協会けんぽの選択した都道府県の料率と年齢区分で、月額一定・賞与なしとして概算します(健康保険組合・共済組合の料率、賞与にかかる保険料には対応していません)。16歳未満の扶養親族は控除の対象外ですが、住民税の非課税限度額の判定に使うため人数を入力できます。給与収入2,000万円超の方や、合計所得2,500万円超の方は基礎控除の逓減を反映していますが、必ず税理士等にご確認ください。
本ツールの結果は目安であり、実際の控除額は確定申告や住民税の決定通知で確定します。個別の税務相談は税理士または所轄の税務署・市区町村へお問い合わせください。
関連:寄附金控除シミュレーター:所得控除と税額控除どちらが有利か(認定NPO法人・公益法人・政党等への寄附)/ワンストップ特例が無効になったら/ワンストップ特例と確定申告の違い/自己負担が2,000円で収まらないケース/住民税の計算方法。住民税の年額と月々の天引き額は住民税 計算ツール、年末調整の還付額は年末調整 還付金シミュレーターで計算できます。副業の所得がある方は、確定申告が必要かどうかを副業の確定申告 要否判定+税額シミュレーターで判定できます。医療費控除を受けるために確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。戻る額は医療費控除 還付金シミュレーターで計算できます。
根拠資料
- 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」(控除の3区分と計算式、特例分の2割上限)
- 地方税法第37条の2・第314条の7(寄附金税額控除)、附則第7条の2(特例控除額の率・申告特例控除額。申告特例控除の割合は課税総所得金額900万円超で「56.307分の33.693」が最終行で、特例控除の率(49.16%・44.055%)とは頭打ちの位置が違う)、附則第5条の4の2(住宅借入金等特別税額控除)、附則第3条の3(所得割の調整措置)、第24条の5・第295条(均等割・所得割の非課税)。税額控除は「調整控除→配当控除→住宅借入金等特別税額控除→寄附金税額控除→外国税額控除→配当割額・株式等譲渡所得割額控除」の順に適用し、市区町村民税分・都道府県民税分をそれぞれ計算して1円未満を切り上げます(港区・横浜市の計算例)
- 総務省 令和8年1月21日 事務連絡「地方税法等の一部を改正する法律案」(③住宅ローン控除の延長等に伴う措置、④所得税の基礎控除の額の引上げに伴う個人住民税における所要の措置)
- 国税庁タックスアンサー No.1155(ふるさと納税)、No.1150(公的年金等の雑所得)、No.1120(医療費控除)、No.1140(生命保険料控除)、No.1145(地震保険料控除)、No.1199(基礎控除)
- 「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)一 個人所得課税 1(基礎控除・給与所得控除・扶養親族等の所得要件、地方税は令和9年度分から)、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」、国税庁「令和8年度税制改正(基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)
- 財務省「令和7年度税制改正」(特定親族特別控除の創設)、総務省「令和7年度地方税制改正」
- ニッセイ基礎研究所「税制改正でふるさと納税額はどうなる?」(所得税率の推定と自己負担が2,000円を超える問題の指摘)