育休中の手取りはいくら? 給付金・社会保険料免除・住民税を月別に
結論:育休中の手取りは、育児休業給付金(非課税)と社会保険料の免除により、最初の6か月は休業前のおよそ8割、7か月目からはおよそ6割が目安です(下の例1の月給30万円の母で、休業前231,715円、育休の最初の6か月183,125円、7か月目から132,125円)。対象は、勤務先の雇用保険と健康保険に入っていて産休・育休をとる方で、母だけでなく産後パパ育休や育休をとる父も含みます。産休・育休のあいだの収入は、給与の代わりに出産手当金や育児休業給付金などになり、社会保険料が免除されます。この記事では、どの給付がいつ・いくら出るか、手取りが休業前と比べてどうなるかを、厚生労働省・協会けんぽ・日本年金機構の資料の範囲でまとめ、3つの例で計算します。額は目安です。正確な額は、勤務先・ハローワーク・加入している健康保険に確認してください。健康保険組合に入っている方は、付加給付で額が違うことがあります。
出る給付の一覧
| 給付 | だれ・いつ | 額 |
|---|---|---|
| 出産手当金(健康保険) | 出産する本人。出産日(予定日より遅れたときは予定日)以前42日(多胎98日)〜出産の翌日以後56日 | 標準報酬月額の12か月平均÷30(10円未満四捨五入)×2/3(1円未満四捨五入)×休んだ日数 |
| 出産育児一時金(健康保険) | 出産時 | 1児50万円(産科医療補償制度の対象外は48.8万円) |
| 出生時育児休業給付金(雇用保険) | 産後パパ育休(出生後8週間のうち最大28日) | 休業開始時賃金日額×日数×67%(上限310,290円) |
| 出生後休業支援給付金(雇用保険) | 本人と配偶者がともに14日以上休むなど | 日額×日数(28日まで)×13%(上限60,205円) |
| 育児休業給付金(雇用保険) | 育休中(原則1歳まで) | 日額×支給日数(原則30日、最後の期間は休業終了日までの日数)×67%、181日目以降50%(上限332,454円・248,100円) |
| 育児時短就業給付金(雇用保険) | 2歳未満の子のための時短勤務 | 時短中の賃金×10%(賃金が下がり方の少ない場合は調整) |
休業開始時賃金日額は、休業前(母は産前休業前)6か月の賃金÷180で、令和8年8月1日から令和9年7月31日までは上限16,540円・下限3,203円です(厚生労働省「令和8年8月1日から支給限度額が変更になります」)。育児休業等給付は非課税です。
出生後休業支援給付金の「夫婦とも14日」
13%の上乗せ(出生後休業支援給付金)は、本人が対象期間(出生日と出産予定日の早い方から、遅い方から数えて8週間〔産後休業をした母は16週間〕を経過する日の翌日まで)に通算14日以上休み、配偶者も同じ数え方の8週間のうちに通算14日以上の育休をすることが要件です。ただし、配偶者が無業・自営業・フリーランス、産後休業中などの「配偶者の育児休業を要件としない場合」は、配偶者の育休がなくても対象になります。父の場合、出生日の翌日に母が産後休業中なので、父が14日休めば父は対象になり、母が対象になるには父が8週間のうちに14日以上休む必要があります(厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」)。
社会保険料の免除と「1日の違い」
- 産前産後休業・育児休業の開始日の属する月から、終了日の翌日が属する月の前月まで、健康保険・厚生年金の保険料が免除されます。月末に休んでいる月が免除、と考えると分かりやすいです。
- 育児休業は、開始した月に同じ月の中で14日以上休んだ場合もその月が免除です(令和4年10月から。同じ月に分けて取った育休の日数は合算します)。
- 賞与の保険料は、賞与を払った月の末日を含む連続した1か月を超える育休の場合だけ免除です。産後パパ育休から間を空けずに続けて取った育休は、1つの育休として判断します。
このため、開始日・終了日を1日ずらすだけで1か月分の保険料が変わることがあります。例1の父(月給40万円)が12月11日から14日間の産後パパ育休をとると12月の保険料58,179円が免除されますが、1日遅らせて13日間になると免除されません。ツールは、ずらした場合の差を表で出します。日程は、会社の規程と育児・介護休業法の手続きに従って決めてください。
3つの例
どれも出産予定日2026年12月10日、予定日に出産、母は2027年12月8日まで育休のあと時短(月22万円)に戻る、東京都・協会けんぽの前提です。ツールの入力例ボタンで同じ結果が出ます。
例1:母 月30万円・父 月40万円、父は産後パパ育休14日
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 母:出産手当金(6,667円×98日) | 653,366円 |
| 母:出産育児一時金 | 500,000円 |
| 母:育児休業給付金(2027年2月5日〜12月8日) | 1,826,000円 |
| 母:出生後休業支援給付金(10,000×28×13%) | 36,400円 |
| 父:出生時育児休業給付金(13,333×14×67%) | 125,063円 |
| 父:出生後休業支援給付金(13,333×14×13%) | 24,266円 |
| 母の月の手取り:休業前 | 231,715円 |
| 同 育休の最初の6か月 | 183,125円 |
| 同 7か月目から | 132,125円 |
育休中の手取りは、給付(非課税)から住民税(前年の所得の分。休業中も払います)を引いた額です。最初の6か月は休業前の約8割、7か月目からは給付率が50%になって約6割です。12月9日に時短(月22万円)で復帰すると、12月は日割りの給与163,225円で、育休給付を受けられる休業の日がある月なので育児時短就業給付は出ません(その月の初日から末日まで、育休給付などを受けられる休業をしなかった月だけが対象)。1月からは月22,000円です。社会保険料は、復帰した月から3か月は休業前の標準報酬月額のままで、育児休業等終了時改定を申し出ると、復帰した月から3か月の給与の平均(163,225円・220,000円・220,000円→201,075円)で4か月目(2028年3月)から標準報酬月額20万円に下がります。
例2:例1に加えて、父も2か月育休(2027年2月5日〜4月4日)
父の育児休業給付金 544,919円(267,993円+276,926円)が加わり、父の2月・3月の保険料も免除されます。夫婦の給付の合計は3,776,014円(時短給付を含む)です。
例3:母 月60万円・父 月80万円(上限にかかる)
賃金日額が上限16,540円にかかるので、母の育児休業給付金は月332,454円(67%)・248,100円(50%)が上限、父の産後パパ育休28日は310,290円・支援給付60,205円が上限です。月給に対する給付の割合は、上限のない例1より低くなります。
気をつけること
- 給付は2か月ごとの申請のあとに振り込まれるので、休業に入ってしばらく(初回は2〜3か月後になることが多い)は手元の資金で過ごす月があります。
- 住民税は前年の所得で決まるので、休業中も払います(給与から引けない月は普通徴収に切り替わるのが一般的です)。
- 休業中に就業したり、賃金が払われたりすると、給付が減ったり出なくなったりします。
よくある質問
育休中の手取りは休業前の何割ですか?
育児休業給付金は休業開始時賃金日額の67%(181日目以降50%)で非課税、休業中は社会保険料が免除されるので、最初の6か月はおよそ8割、13%の出生後休業支援給付金が出る期間はおよそ10割相当になります。上限(令和8年8月1日から月332,454円)があり、住民税は休業中も払います。
出生後休業支援給付金はどうすればもらえますか?
本人が対象期間(出生日と出産予定日の早い方から、遅い方から数えて8週間〔産後休業をした母は16週間〕を経過する日の翌日まで)に通算14日以上の育児休業をし、配偶者も同じ数え方の8週間のうちに通算14日以上の育児休業をすることが要件です。配偶者が無業・自営業・産後休業中など「配偶者の育児休業を要件としない場合」は、配偶者の育休がなくても対象です。額は休業開始時賃金日額×日数(28日まで)×13%です。
育休の開始日で社会保険料が変わるのはなぜですか?
保険料は、開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月まで免除され、開始した月に同じ月の中で14日以上休んだ場合もその月が免除されます。このため、開始日や終了日を1日ずらすだけで1か月分の保険料が変わることがあります。
根拠資料
- 厚生労働省 育児休業等給付について(育児休業等給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日改訂版)/育児時短就業給付の内容と支給申請手続)
- 厚生労働省 令和8年8月1日から支給限度額が変更になります
- 協会けんぽ 出産手当金/出産育児一時金
- 日本年金機構 育児休業等期間中の社会保険料免除要件が見直されます(令和4年10月から)
この記事は一般的な説明で、個別のご相談には応じていません。関連:給与の手取り計算/住民税 計算ツール/失業給付はいつから・いくら?/介護休業給付金シミュレーター(家族の介護で休むとき)