傷病手当金はいくら・いつまで? 月給からの計算と退職後も受け取れる条件
結論:傷病手当金は1日あたり「支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3」(月給30万円なら6,667円)で、待期3日の後の4日目から、支給を始めた日から通算1年6か月まで受け取れます。対象は、勤務先の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に入っている方が業務外の病気やけがで仕事を休み、給与が出ないか傷病手当金より少ないときで、条件を満たせば退職後も受け取れます。この記事では、1日あたりの額の計算、待期3日、いつまで受け取れるか、年金などとの調整、退職後も受け取れる条件を、協会けんぽの説明の範囲でまとめ、3つの例で計算します。額は目安です。支給するかどうかと額は、医師の意見と勤務先の証明をもとに協会けんぽが決めます。健康保険組合に入っている方は付加給付で額が違うことがあり、国民健康保険には原則として傷病手当金がありません。
1日あたりの額
支給開始日(最初に支給された日)以前12か月の標準報酬月額の平均÷30(10円未満四捨五入)×2/3(1円未満四捨五入)です。協会けんぽの例では、平均17万円÷30≒5,670円、×2/3=3,780円です。加入して12か月たっていない方は、加入してからの平均と32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降。3月31日以前は30万円)の低い方で計算します(協会けんぽ「傷病手当金」)。
標準報酬月額は、月給(通勤手当・残業代を含む)を等級表にあてはめた額です。月給30万円なら標準報酬月額30万円、日額は6,667円です。
いつから・いつまで
- 業務外の病気・けがで仕事に就けず、連続する3日間(待期)の後、4日目から支給されます。待期には有給休暇・土日祝日も含みます。2日休んで3日目に出勤すると待期は成立しません。
- 支給期間は、支給を開始した日から通算して1年6か月です。途中で出勤した日は数えないので、支給された日数の合計が1年6か月分になるまで受け取れます。
- 給与が払われている間は支給されません。給与が傷病手当金より少なければ差額が出ます。給与で全額調整されて支給されない日は、通算1年6か月を使いません(支給開始日は、実際に初めて支給される日)。
年金・出産手当金との調整
- 障害厚生年金(同じ・関連する病気やけが):年金額÷360が傷病手当金の日額以上なら支給なし、少なければ差額(健康保険法108条。協会けんぽ愛媛支部の資料)。同じ理由の障害基礎年金も受けるなら合計で比べます(障害基礎年金だけなら調整されません)。給与と年金の両方があるときは、多い方だけを差し引きます。
- 老齢年金:退職後の継続給付を受けている方だけ、年金額÷360と比べて差額になります。
- 出産手当金:両方受けられる期間は出産手当金が優先で、傷病手当金の方が多ければ差額です。
退職後も受け取れる条件
次の2つを満たすと、退職後も残りの期間を受け取れます(資格喪失後の継続給付。協会けんぽ よくあるご質問)。
- 退職日までに、継続して1年以上健康保険(任意継続・共済組合・国民健康保険の期間を除く)に入っていたこと。
- 退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること(退職日の前日までに待期3日が完成していることが必要で、待期3日目に退職すると受けられません)。退職日に出勤すると受けられません(あいさつだけでも出勤になります)。
いったん働ける状態になると、その後また働けなくなっても支給されません。失業給付(雇用保険の基本手当)は働ける状態の人が対象なので、傷病手当金を受けている間は受けられません。退職後30日以上続けて働けない場合は、ハローワークで受給期間の延長を申請すると、失業給付を受けられる期間を最長3年延ばせます(ハローワーク「基本手当について」)。
3つの例
どれも2026年10月1日から休み始めた場合です(待期10月1日〜3日、支給は10月4日から、通算1年6か月は2028年4月3日までの548日)。ツールの入力例ボタンで同じ結果が出ます。
例1:月給30万円・12月末まで休む
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1日あたり(30万円÷30×2/3) | 6,667円 |
| 支給日数(10月4日〜12月31日) | 89日 |
| 合計 | 593,363円 |
| 通算1年6か月の残り | 459日 |
例2:月給30万円・12月末で退職し、2027年6月末まで休む(加入3年)
退職日までに1年以上加入し、退職日に休んでいるので、退職後も継続給付を受けられます。支給日数270日、合計1,800,090円です。退職日に出勤すると、退職後の分(2027年1月以降)は受けられません。
例3:月給41万円・同じ病気の障害厚生年金126万円・2027年3月末まで休む
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 1日あたり(41万円÷30≒13,670円×2/3) | 9,113円 |
| 障害厚生年金の日額(126万円÷360) | 3,500円 |
| 差額の日額 | 5,613円 |
| 支給日数・合計 | 179日・1,004,727円 |
よくある質問
傷病手当金は1日いくらですか?
支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割り(10円未満四捨五入)、3分の2を掛けた額(1円未満四捨五入)です。月給30万円なら1日6,667円です。加入12か月未満の方は、加入してからの平均と32万円の低い方で計算します。
傷病手当金はいつまでもらえますか?
支給を開始した日から通算して1年6か月です。途中で出勤した日は数えないので、支給された日数の合計が1年6か月分になるまで受け取れます。
退職後も傷病手当金はもらえますか?
退職日までに継続して1年以上健康保険に入っていて、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態なら、退職後も残りの期間を受け取れます。退職日に出勤すると受けられません。
根拠資料
- 協会けんぽ 傷病手当金/よくあるご質問:病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)
- 協会けんぽ愛媛支部 傷病手当金を受けている方へ(障害年金・老齢年金との調整)
- ハローワーク 基本手当について(受給期間の延長)
この記事は一般的な説明で、個別のご相談には応じていません。関連:失業給付はいつから・いくら?/育休中の手取りはいくら?/退職後カレンダー