定額減税は令和6年分だけ:令和8年分の年末調整に精算は無い。令和6年分を今から直すには
結論:定額減税は、令和6年分の所得税(本人と同一生計配偶者・扶養親族1人につき3万円)と令和6年度の個人住民税(1人につき1万円)の措置でした(住民税は、本人の合計所得金額が1,000万円超1,805万円以下の人の同一生計配偶者の分だけ、令和7年度に最大1万円)。令和7年分・令和8年分の所得税にはないので、令和8年分(2026年12月)の年末調整で定額減税を精算することはありません。令和6年分の定額減税を受け損ねていた場合は、確定申告(還付申告)か、申告済みなら更正の請求で直せます。
2024年の給与明細や源泉徴収票で見た「定額減税」が今年も続くと思っている人は少なくありません。この記事では、令和8年分の年末調整では何が精算されるのか、令和6年分の定額減税を今から受け直せるのはどんな人か、手続きの期限を整理します。
定額減税のしくみ(令和6年分)
- 対象:令和6年分の所得税の納税者である居住者で、令和6年分の合計所得金額が1,805万円以下の人でした(給与収入だけなら2,000万円以下。子どもなどがいて所得金額調整控除を受ける人は2,015万円以下)。
- 金額:所得税は本人3万円と、同一生計配偶者・扶養親族(いずれも居住者)1人につき3万円の合計でした。所得税額が限度で、引ききれない分は所得税からは引かれませんでした。
- 引き方:会社員は2024年6月以後の給与・賞与の源泉徴収税額から順に引かれ、令和6年分の年末調整で1年分を精算しました。年金を受け取る人は年金の源泉徴収から、事業をしている人は令和6年分の確定申告で引きました。
令和8年分の年末調整で精算するもの
令和8年分の年末調整に、定額減税の事務はありません。今年の年末調整で例年より還付が大きくなりそうなのは、定額減税ではなく、令和8年度の税制改正で基礎控除と給与所得控除が引き上げられ、その差を12月の年末調整でまとめて精算するためです(詳しくは基礎控除申告書の書き方)。
令和6年分の定額減税で引ききれないと見込まれた人には、その見込み額をおおむね1万円単位で市区町村が給付する仕組みがありました(内閣官房)。給付は市区町村の手続きなので、内容や期限はお住まいの市区町村の案内で確かめてください。
令和6年分の定額減税を今から直せる人
次のような人は、令和6年分の確定申告で最終的な定額減税の額を計算し直し、所得税を精算することとされていました。まだ出していなければ、還付になる場合は還付申告として出せます。
- 2024年の途中で退職し、年末調整を受けず、源泉徴収で定額減税が引かれていない(または引ききれていない)人
- 年末調整のときに、配偶者や扶養親族の申告が漏れていた人(定額減税の人数も少なくなっています)
- 年金を受け取っていて、2024年中に扶養親族が増えた人
- 2か所以上から給与を受けていた人、給与以外の所得があった人など、年末調整で引ききれない定額減税があった人
期限:確定申告をする必要がない人の還付申告は、翌年1月1日から5年間出せます。令和6年分なら2029年12月31日までです。申告の義務がある人の令和6年分の申告期限(2025年3月)はすでに過ぎているので、期限後申告になり、加算税などがかかることがあります。
すでに令和6年分を申告した人:出した申告で定額減税が少なく計算されていた(税額が多すぎた・還付が少なすぎた)ときは、申告書を出し直すのではなく「更正の請求」をします。期限は原則として、申告期限のある人は法定申告期限から5年、申告の義務がない人が出した還付申告は提出した日から5年です。
申告には令和6年分の源泉徴収票を使います。どの書類が要るか分からなければ、所轄の税務署に相談してください。
「定額減税の還付」を名乗る電話やメールに注意
国税庁は、国税庁(国税局・税務署を含みます)から「定額減税の関係で還付を受けられる」と言って、銀行の口座番号や暗証番号をメールや電話で聞いたり、ATM の操作を求めたりすることは無いとしています。定額減税が令和6年分で終わったあとも、この種の連絡には応じないでください。
よくある質問
令和7年分・令和8年分の所得税にも定額減税はありますか?
ありません。国税庁の定額減税の案内は、令和6年度税制改正による令和6年分の所得税の措置として説明しています。令和8年分の年末調整で定額減税を精算することはありません。
令和6年分の定額減税を受けていなかったかもしれません。
年の途中で退職して年末調整を受けていない、扶養親族の申告が漏れていたなどの場合は、令和6年分の確定申告で精算します。まだ申告していない人の還付申告は2029年12月31日まで出せます。申告済みなら更正の請求をします(原則5年以内)。
住民税の定額減税は、今年の住民税にもありますか?
住民税の定額減税は令和6年度分(1人につき1万円)でした。例外として、令和6年の本人の合計所得金額が1,000万円超1,805万円以下で、国内に住む同一生計配偶者(令和6年の合計所得金額48万円以下)がいる人は、その配偶者の分として最大1万円(減税前の所得割額が限度)を令和7年度の住民税から引かれました。令和8年度の住民税にはありません。
根拠資料
- 国税庁「定額減税 特設サイト」(令和6年度税制改正に伴い令和6年分所得税に適用、不審な電話・メールへの注意)、「定額減税について(制度の概要)」(対象者・金額・実施方法、確定申告で精算する場合)、「定額減税と確定申告」(所得税3万円・個人住民税1万円、給与所得者・年金所得者の確定申告)
- 国税庁 タックスアンサー No.2030 還付申告(翌年1月1日から5年間、還付申告をした人の更正の請求は提出日から原則5年以内)、No.2026 確定申告を間違えたとき(更正の請求)
- 総務省「個人住民税の定額減税に係るQ&A集(第3版)」(令和7年度分は控除対象配偶者以外の同一生計配偶者を有する者について1万円。本人の合計所得金額1,000万円超1,805万円以下・配偶者48万円以下で国内に住所、所得割額が限度。Q2-1-1・Q2-3-1)
- 内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」(定額減税しきれないと見込まれる方への給付は市区町村が実施)
- 租税特別措置法 第41条の3の3(令和6年分の所得税に係る特別税額控除)
リンク先は2026年10月17日に開いて確かめました。
この記事は一般的な説明で、個別の判断は所轄の税務署または税理士へご相談ください。給付金・住民税はお住まいの市区町村へ。関連ツール:年末調整 還付金シミュレーター。
さらに詳しく(note)
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- 令和8年分 年末調整:出す書類と期限、会社ごとの違い(note・有料・980円):何を・いつまでに・誰に出すか、前職・途中入社・2か所給与・扶養の変更
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