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寄附金控除は所得控除と税額控除どちらが有利? 計算と確定申告

令和8年分(2026年1〜12月に支払った寄附・2027年3月申告) 最終更新:2026年10月6日

結論:認定NPO法人・公益社団法人等への寄附なら、所得税率が40%未満の人は税額控除((寄附金−2,000円)×40%)のほうが有利で、給与500万円の会社員が認定NPO法人に5万円を寄附する例では所得税の差は17,153円です。所得控除と税額控除を選べるのは、認定NPO法人・税額控除の対象であることの証明を受けた公益社団法人等・政党等に寄附した人で、ふるさと納税など国・自治体への寄附は所得控除だけです。この記事では、2つの計算の違いと、どちらが有利になるかを計算例で確認します。所得税の話で、住民税は別に計算されます。

寄附額と源泉徴収票の数字を入れると、どちらが有利か・差額はいくらかをその場で計算できます → 寄附金控除シミュレーター:所得控除と税額控除どちらが有利か

2つの控除の違い

控除計算
所得控除(寄附金控除)min(寄附金, 総所得金額等×40%)−2,000円を所得から引く。減る所得税は控除額×所得税率(5〜45%)
税額控除(公益社団法人等・認定NPO法人等)(寄附金−2,000円)×40%を所得税から引く。上限は所得税額の25%
税額控除(政党等)(寄附金−2,000円)×30%を所得税から引く。上限は所得税額の25%(別枠)

所得税率が40%未満の人は、同じ寄附額なら税額控除の40%のほうが大きくなります。所得控除が有利になるのは、所得税率が40%以上の人と、寄附額が大きくて税額控除が所得税額の25%の上限に当たる人です。

税額控除を選べるのは、公益社団法人等なら税額控除の対象であることの証明を受けた法人への寄附、認定NPO法人等への寄附、政党・政治資金団体への一定の寄附です(国税庁 No.1266・No.1263・No.1260)。国・自治体への寄附(ふるさと納税)は所得控除だけです。

計算の細かい決まり(国税庁の計算明細書)

計算例(令和8年分)

いずれもツールの入力例と同じ数字で、所得税は復興特別所得税(2.1%)を含みます。

例1:給与500万円の会社員が認定NPO法人に5万円(税額控除が有利)

所得金額の合計(給与所得控除後の金額)3,560,000円、所得控除の合計1,790,000円(社会保険料75万円+基礎控除104万円)。寄附がなければ課税所得177万円・所得税90,358円です。

項目所得控除税額控除
控除寄附金控除 48,000円(50,000−2,000)×40%
=19,200円
課税される所得金額1,722,000円1,770,000円
所得税(5%)86,100円88,500円−19,200円
=69,300円
所得税及び復興特別所得税87,908円70,755円

所得控除では所得税が2,450円しか減りませんが、税額控除なら約19,600円減り、差は17,153円です。税額控除の上限(88,500円×25%=22,100円)の内に収まっています。

例2:所得2,000万円の人が公益財団法人に400万円(所得控除が有利)

所得金額の合計20,000,000円、所得控除の合計2,000,000円、寄附先は税額控除の証明を受けた公益財団法人です。

項目所得控除税額控除
控除寄附金控除 3,998,000円(4,000,000−2,000)
×40%=1,599,200円
→ 上限 1,101,000円
課税される所得金額14,002,000円18,000,000円
所得税(33%)3,084,660円4,404,000円−1,101,000円
=3,303,000円
所得税及び復興特別所得税3,149,437円3,372,363円

税額控除は所得税額4,404,000円の25%(1,101,000円)で止まり、所得控除のほうが222,926円有利です。寄附額が大きいと、税率33%でも所得控除が勝つことがあります。

例3:ふるさと納税5万円+認定NPO法人5万円(2,000円は1回)

例1の人が、ふるさと納税も5万円していた場合です。ふるさと納税は所得控除だけなので、認定NPO法人の分をどうするかを比べます。

税額控除を選ぶほうが17,867円少なくなります。2,000円はふるさと納税側で1回引かれるだけです。なお、確定申告をするとふるさと納税のワンストップ特例は無効になるので、ふるさと納税も申告書に書きます。

住民税は別の話です

住民税にも寄附金税額控除がありますが、対象はふるさと納税と、都道府県・市区町村が条例で指定した寄附先です。認定NPO法人などへの寄附が対象になるかは自治体によって違います。所得税で所得控除と税額控除のどちらを選んでも、住民税の計算は変わりません。

確定申告のしかた

寄附金控除も税額控除も、年末調整では受けられず、確定申告が必要です。税額控除を選ぶときは、区分ごとの計算明細書(政党等・認定NPO法人等・公益社団法人等)と、寄附先から受け取る領収書と証明書を添付します。計算は公益社団法人等→認定NPO法人等→政党等の順に行います。

よくある質問

認定NPO法人への寄附は所得控除と税額控除のどちらが有利ですか?

多くの人は税額控除が有利です。税額控除は(寄附金−2,000円)×40%を所得税から直接引き、所得控除は(寄附金−2,000円)に所得税率(5〜45%)を掛けた分だけ所得税が減るからです。ただし税額控除は所得税額の25%が上限なので、寄附額が大きい人や、所得税率が40%以上の人は所得控除のほうが有利になることがあります。給与500万円・社会保険料75万円の人が認定NPO法人に5万円を寄附すると、所得控除なら所得税の減少は2,450円、税額控除なら19,600円ほどで、差は17,153円です。

ふるさと納税もしている場合、2,000円は2回引かれますか?

引かれるのは1回です。国税庁の計算明細書では、税額控除側の2,000円は「2千円−所得控除を受ける寄附金」(0円未満は0円)として計算するので、ふるさと納税などの寄附が2,000円以上あれば、認定NPO法人などの税額控除は寄附金の全額に40%を掛けます。

税額控除を選ぶと住民税も変わりますか?

変わりません。所得税で所得控除と税額控除のどちらを選んでも、住民税の計算は別です。住民税の寄附金税額控除の対象は、ふるさと納税(都道府県・市区町村への寄附)と、都道府県・市区町村が条例で指定した寄附先で、認定NPO法人などが対象かどうかは自治体によって違います。

寄附額と源泉徴収票の数字を入れると、区分ごとの有利な選び方と、計算明細書の数字まで出します → 寄附金控除シミュレーター:所得控除と税額控除どちらが有利か

根拠資料

関連:ふるさと納税 控除上限額シミュレーター/ふるさと納税のワンストップ特例が無効になるとき

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