ワンストップ特例の申請は2027年1月10日まで? 年末の寄附の出し方と、間に合わなかったときの申告
結論:2026年に寄附したふるさと納税のワンストップ特例の申請書は、多くの自治体で翌年の1月10日必着です(2027年は10日が日曜・11日が祝日で、12日までとする自治体もあります)。間に合わなかった寄附があっても控除が無くなるわけではなく、確定申告(または住民税の申告)でその年の寄附を全部申告すれば受けられます。寄附先が5自治体を超えたときも、同じく確定申告に切り替えます。
この記事は、ワンストップ特例の期限と、期限に間に合わなかったときの手当てに絞って説明します。ワンストップ特例と確定申告のどちらを使うかの比べ方はワンストップ特例と確定申告の違い、確定申告書のどこに何を書くかはワンストップ特例が無効になったときの確定申告の書き方で解説しています。
「1月10日まで」は誰が決めた期限か
申請書(寄附金税額控除に係る申告特例申請書)の受付期限は、寄附先の自治体が決めています。多くの自治体は寄附した翌年の1月10日必着としています。地方税法が1月10日と定めているのは、申請したあとに住所や氏名が変わったときの変更の届出の期限で(附則7条4項)、自治体は翌年1月31日までに寄附した人の住所地の市区町村へ通知を送る必要があるため(同5項)、その前に受付を締め切ります。
- 寄附1件ごとに1枚。同じ自治体に3回寄附したなら、申請書も3回出します。
- 2027年1月10日は日曜日で、翌11日は成人の日です。法律の変更の届出の期限は、休日に当たると翌日に延びるので(地方税法20条の5第2項)、2027年は1月12日(火)です。申請書の受付も1月12日までとする自治体があります(港区など)が、休日の扱いやオンライン申請の締切は自治体ごとに違うので、寄附先の案内で確かめます。
- 紙で出すときは本人確認書類が要ります。マイナンバーカードの両面の写し(または通知カードなどと本人確認書類)を添えます。通知カードは氏名・住所などが住民票と一致するものに限り、一致しなければマイナンバーが記載された住民票の写しなどを使います。書類が足りないと受け付けてもらえないことがあるので、日数に余裕をもって出します。
- 引っ越したときは変更の届出も出す(原則1月10日まで、2027年は1月12日まで)。申請書を出したあと、翌年1月1日までに住所が変わったら、変更の届出書を寄附先に出します。出さずに住所地の市区町村と通知先が食い違うと、ワンストップ特例は無かったことになります(附則7条6項4号)。
年末に寄附するときの出し方
12月の寄附は、期限までの日数が短くなります。寄附先から申請書が郵送で届くのを待ってから返送すると、年末年始を挟んで間に合わないことがあります。次の方法で日数を縮められます。
- オンライン申請を使う。マイナンバーカードを使ったオンライン申請に対応している自治体があります(総務省「ふるさと納税のしくみ」)。対応しているかは寄附先・ポータルサイトの案内で確かめます。
- 申請書を自分で用意して送る。申請書は自治体やポータルサイトの案内からダウンロードできることが多く、届くのを待たずに書いて送れます。
間に合いそうにないなら、はじめから確定申告で受けると決めておく方法もあります。寄附金受領証明書は確定申告でも使うので、捨てずに取っておきます。
間に合わなかったときの申告
申請書が期限までに届かなかった寄附は、ワンストップ特例の対象になりません。ただ、寄附金控除そのものが無くなるわけではなく、自分で申告すれば受けられます。
確定申告をする(所得税の還付+住民税)
令和8年分の確定申告の期間は2027年2月16日から3月15日までですが、還付を受けるための申告は1月1日から出せます。期限を過ぎても、確定申告をする必要のない人の還付申告は翌年1月1日から5年間できます(国税庁 No.2030)。
注意するのは、申請書が間に合った寄附も含めて、その年の寄附を全部書くことです。確定申告をすると、出した申請書も含めて、その年のワンストップ特例の申請が無かったものとみなされます(附則7条6項1号)。間に合わなかった寄附だけを書くと、間に合った寄附の控除が丸ごと漏れます。
住民税の申告をする(住民税だけ)
確定申告をする必要がなく、住民税の控除だけを受けたいときは、住所地の市区町村に住民税の申告をする方法もあります。この場合は所得税の還付は無く、住民税の基本分と特例分だけになります。住民税の申告をしたときもワンストップ特例は無かったものとみなされるので(附則7条6項2号)、こちらも全部の寄附を書きます。
確定申告なら、所得税の寄附金控除と住民税の基本分・特例分を受けられます。住民税の申告だけの場合は所得税の控除が無いので、ワンストップ特例や確定申告より戻る額が少なくなり、自己負担が2,000円を超えることがあります。所得税の還付も受けたいなら確定申告を選びます。
寄附先が6自治体以上になったとき
ワンストップ特例を使えるのは、その年(1〜12月)の寄附先が5自治体以下と見込まれる場合です(附則7条2項)。
- 数えるのは自治体の数。同じ自治体に何回寄附しても1自治体です。
- 6自治体目に寄附すると、その年の全部が無効。「6自治体目の分だけ」ではなく、それまでに出した申請書も含めて、その年のワンストップ特例の申請がすべて無かったものとみなされます(附則7条6項3号)。その年の寄附を全部、確定申告で申告します。
- 年末にもう1件寄附したいとき。すでに5自治体に寄附しているなら、そのうちのどれかに寄附すれば5自治体のままです。新しい自治体に寄附するなら、確定申告をすることになると考えておきます。
よくある質問
1月10日が日曜日のときは、11日着でも大丈夫ですか?
自治体ごとに違います。申請書の受付期限は寄附先の自治体が決めていて、2027年は1月12日(火)までとする自治体もあります(港区など)。法律で決まっている変更の届出の期限は原則1月10日で、休日の特例により2027年は1月12日です。寄附先の案内を確かめ、分からなければ10日より前に届くように出します。
申請書を出していない寄附の分だけ確定申告できますか?
できません。確定申告をすると、その年のワンストップ特例の申請はすべて無かったものとみなされます。申請書を出した寄附も含めて、その年の寄附を全部、確定申告書に書きます。
確定申告の期限(3月15日)も過ぎてしまいました。
確定申告をする必要がない人の還付申告は、翌年1月1日から5年間出せます。住民税は寄附の翌年度の分が直されることになり、すでに納めた分は還付されます。さかのぼれる期間や手続きは市区町村ごとに違うので、お住まいの市区町村に確かめてください。申告の義務がある人(給与以外の所得が20万円を超えるなど)は期限後申告になり、加算税などがかかることがあります。
申請書が届いたかどうかは、どこで確かめられますか?
受け付けたことを知らせる自治体や、ポータルサイトのマイページで申請の状況を表示するところがあります。分からなければ寄附先の自治体に問い合わせます。届いていないと分かったら、期限内なら出し直し、期限後なら確定申告に切り替えます。
根拠資料
- 地方税法 附則7条(寄附金税額控除に係る申告の特例)2項(寄附先が五以下と見込まれる場合に限る)・4項(変更の届出は翌年1月10日まで)・5項(自治体は翌年1月31日までに住所地の市区町村へ通知)・6項1号〜4号(確定申告・住民税の申告・五を超えたとき・住所地の食い違いで、申請は無かったものとみなす)、20条の5第2項(期限が休日に当たるときは翌日)
- 総務省「ふるさと納税のしくみ|税金の控除について」(ワンストップ特例の条件=確定申告が不要な給与所得者等・寄附先が5団体以内、オンライン申請)、「申告特例申請書の様式」
- 国税庁 タックスアンサー No.2030 還付申告(翌年1月1日から5年間)、No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)
- 港区「ふるさと納税ワンストップ特例関連申請書等」(令和8年寄附分の申請書・変更届出書の期限 令和9年1月12日)
- 国税庁「主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日」(令和8年分の所得税の申告・納付の期限 2027年3月15日)
リンク先は2026年10月17日に開いて確かめました。
この記事は一般的な説明で、申請書の受付期限・方法は寄附先の自治体の案内を、個別の判断は所轄の税務署・市区町村または税理士へご相談ください。関連ツール:ふるさと納税 上限額シミュレーター。