シャドーイングのやり方と、YouTube動画で練習する手順
シャドーイングは、聞こえてくる音声のすぐ後を影のように追いかけて声に出す練習法です。通訳者の訓練として使われてきたもので、リスニングの精度と発音・リズムの両方を鍛えられます。ただし、やり方を間違えると「聞き取れないまま適当に真似する」だけになり、効果が出ません。この記事では手順と、YouTube動画を教材にする方法を説明します。
効果が出る手順
- まず聞くだけ(2〜3回)。スクリプトを見ずに、どこまで聞き取れるかを確認します。聞き取れない箇所に印をつける気持ちで聞きます。
- スクリプトを見ながら聞く。聞き取れなかった箇所が「知らない単語」だったのか「知っているのに音が違って聞こえた」のかを分けます。後者がシャドーイングで伸びる部分です。
- オーバーラッピング。スクリプトを見ながら、音声と同時に声を出します。リズムと強弱をそろえることに集中し、意味は考えなくて構いません。
- シャドーイング。スクリプトを閉じ、音声の0.5〜1秒後を追いかけて声に出します。最初は速度を0.75倍に落とし、ついていけるようになったら1倍に戻します。
- 意味を意識しながらシャドーイング。音についていけるようになったら、内容を理解しながら行います。ここまで来ると、そのフレーズは聞き取れるようになっています。
1回に扱う長さは短く
初心者ほど長い音声を一度にやろうとして挫折します。1回の練習で扱うのは1文から長くても30秒程度で十分です。同じ区間を10〜20回繰り返し、口が勝手に動くようになったら次の区間に進みます。1日15分を毎日続けるほうが、週末に2時間やるよりも効果があります。
そのため、練習には「同じ区間を自動で繰り返してくれる」再生環境が必要です。動画の再生バーを毎回手で戻していると、練習のリズムが途切れて集中が続きません。
YouTube動画で練習する方法
YouTubeには字幕つきのニュース、TED、インタビュー、語学学習チャンネルなど教材に向く動画が大量にあります。YouTube本体には区間だけを繰り返す機能がないため、区間リピートができるツールを使うと練習が続けやすくなります。
- 練習したい動画のURLをコピーし、区間リピートツールに貼り付けます。
- 動画を再生しながら、練習したい文の始まりで始点(A)、終わりで終点(B)を決めます。
- 速度を0.75倍にして、区間が自動で繰り返される間にオーバーラッピングとシャドーイングを行います。
- ついていけるようになったら1倍に戻し、さらに10回繰り返します。
- 区間を保存しておくと、翌日は続きから始められます。
教材となる動画の選び方
自分のレベルより少し易しいものを選びます。目安は、スクリプトを見れば9割は理解できる内容です。知らない単語だらけの音声を真似しても、音の練習にはなっても意味と結びつきません。話者は1人で、はっきりした発音のものが向いています。ニュースのアナウンサー、TEDの講演、語学学習向けチャンネルの動画が定番です。字幕(自動生成ではなく投稿者がつけたもの)があると、スクリプトの確認が楽になります。
慣れてきたら、複数人の会話、方言やなまりのある話者、雑音のある環境の音声へと段階的に難易度を上げます。実際の会話で出会う英語はきれいな音声ばかりではないからです。
よくある失敗
聞き取れないまま「なんとなくの音」で真似し続けること。これはスクリプトの確認を飛ばしたときに起きます。必ず一度は文字で確認してください。次に、速すぎる速度で始めること。最初は必ず速度を落とし、口がついていく状態を作ってから上げます。最後に、録音しないこと。自分の声を録って音声と聞き比べると、リズムがずれている箇所が一目瞭然になります。スマートフォンのボイスメモで十分です。
まとめ
- 手順は「聞く→スクリプト確認→オーバーラッピング→シャドーイング」。スクリプト確認を飛ばさない。
- 1回の練習は1文〜30秒。同じ区間を10〜20回繰り返す。速度は0.75倍から始めて1倍へ。
- YouTube動画は区間リピートツールを使うと、再生バーを戻す手間なく練習に集中できる。