英語のリスニングで聞き取れない原因と練習法
「単語は知っているのに、話されると聞き取れない」「字幕を見れば分かるのに、音だけだと分からない」。リスニングの悩みはほぼこの形をしています。聞き取れない原因はひとつではなく、原因ごとに効く練習法が違います。この記事では原因を3つに分け、それぞれの対策を説明します。
原因1:音の変化を知らない
英語は単語をつなげて話すと音が変わります。"want to" が「ワナ」、"going to" が「ガナ」になるような連結(リンキング)や脱落、"can" や "and" が弱く短く発音される弱形、"t" が "d" や「ら行」に近い音になるフラッピングなどです。辞書の発音で単語を覚えていると、この変化に対応できません。「知っている単語なのに聞き取れない」原因の大半はここにあります。
効く練習:聞き取れなかった箇所をスクリプトで確認し、「どの単語がどう変化していたか」を確認したうえで、その区間だけを何度も聞き直します。1文を10回以上聞き、変化した音の形のまま覚え直します。音の変化は理屈で覚えるより、実例を何十回も聞くほうが早く身につきます。
原因2:速度についていけない
1語ずつは分かるのに、文になると処理が追いつかず途中で置いていかれる状態です。頭の中で日本語に訳しながら聞いていると、必ずこうなります。
効く練習:速度を0.75倍に落として、訳さずに理解できる状態を作ります。そのうえで同じ音声を1倍、慣れたら1.25倍で聞きます。速い速度に慣れてから1倍に戻すと、余裕をもって聞こえます。また、シャドーイング(音声の直後を追いかけて声に出す)を行うと、聞く速度と処理の速度が同期していきます。
原因3:語彙・文法が足りない
スクリプトを読んでも意味が分からない場合は、リスニング以前の問題です。この状態でどれだけ聞いても、雑音を聞いているのと同じで力はつきません。
効く練習:その音声は教材として難しすぎます。スクリプトを読めば9割は理解できる易しい素材に変えてください。分からなかった単語は、音声つきで覚え直します。
自分の原因を見分ける方法
聞き取れなかった文について、スクリプトを見て次を確認します。読んでも分からない→原因3。読めば分かるが、その単語がそう聞こえなかった→原因1。読めば分かり、ゆっくり聞けば聞き取れる→原因2。多くの学習者は原因1と2が混ざっており、同じ区間を「速度を落として、何度も」聞き直す練習が両方に効きます。
YouTube動画を使った練習の手順
- 字幕のあるニュースやインタビューなど、1〜3分の動画を選びます。
- 区間リピートツールにURLを貼り、聞き取れなかった1文の始点と終点を設定します。
- 速度を0.75倍にして、区間が繰り返される間に聞き取ります。聞き取れたら字幕で答え合わせをします。
- 音の変化を確認したうえで、1倍に戻して10回聞きます。余裕があれば声に出して追いかけます(シャドーイング)。
- 次の聞き取れなかった文へ進みます。1日に扱うのは3〜5文で十分です。
ディクテーション(聞いた音声を書き取る練習)も同じ環境でできます。区間を繰り返しながら書き取り、字幕と照合します。書き取りは聞き取れない箇所を曖昧にできないため、原因1の発見に特に有効です。
続けるためのコツ
教材を毎日変えないこと。同じ動画を1週間かけて全文聞き取れるようにするほうが、毎日違う動画を1回ずつ聞き流すより確実に伸びます。聞き流しは、すでに聞き取れる音声の維持には役立ちますが、聞き取れない音声を聞き取れるようにはしません。また、聞き取れなかった文を記録しておき、1週間後にもう一度聞いてください。聞き取れていれば、その音の変化は身についています。
まとめ
- 聞き取れない原因は「音の変化」「速度」「語彙」の3つ。スクリプトで確認すればどれかが分かる。
- 音の変化と速度には、同じ区間を速度を落として何度も聞く練習が効く。語彙不足なら教材を易しくする。
- 1日3〜5文、同じ動画を1週間。聞き流しではなく、聞き取れない文を潰していく。